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小さな成長を先生たちと喜び合うことを大切に 加藤沙耶香先生

すまいるおおふな保育園
公開日2024年7月22日

今回お話を聞いた方

加藤
加藤沙耶香 (園長)

出身地:神奈川県横浜市 勤務先:神奈川県横浜市・小規模保育所 保育園勤務歴:10数年 園長先生歴:4年目 趣味:息子2人の野球の試合観戦

「もっと子どもとかかわりたい」中学生の頃の思いから保育士へ

ー保育士を目指すきっかけを教えてください。

小さい頃から人とかかわることが好きだったこともありますが、いちばんは中学生の頃に参加したサマーキャンプだと思います。 中学のときに仲の良かった友だちが、幼稚園年長から高校生までが3泊4日を一緒に過ごすサマーキャンプに誘ってくれました。キャンプ自体初体験でものすごく楽しかったのですが、それ以上に子どもたちと関わることの楽しさを知った経験でした。 そのときの 「もっと子どもと関わりたい」という記憶から、保育の道に進みました。


ーそこからまっすぐ、ずっと保育士として歩まれてきたのですか?

保育短大を卒業後、すぐに保育士として就職しましたが、実は保育の現場を離れていた時期もあります。 いろいろなことが重なって疲弊してしまって離れたのですが、子どもに関わる仕事がしたいという思いは変わらず、保育士派遣をしている会社で営業として働いていました。 その後、縁あって園長としてふたたび保育園に戻ってくることになり、今に至ります。 ブランクもありましたし、コロナ禍を経て子どもとのかかわり方、保護者とのかかわり方、衛生管理など細々とした変化がたくさんあったので、最初は戸惑いました。 保育士派遣の営業として保育士さんと1対1でかかわっていたところから、園長として園の職員みんなとかかわることになったのも大きな違いです。向き合い方が違うな、と感じました。

幸いにも私は園長になってすぐの頃から、姉妹園の園長先生にいろんなことを気軽に相談できる環境があったので、園長としての軸がブレないようにバランスがとれたのだと思います。


一緒に働いている先生たちが、できるだけ長く無理なく働ける仕組みづくりを

ー園長になって変わったなと感じるところはありますか?

変わったことも、変わらないこともあります。 園長は先生たちを守る立場でもあるので、雇用について考える時間が各段に増えました。 ご縁があって 一緒に働いている先生たちが、できるだけ長く、無理なく働けるような仕組みづくりがしたい と思っています。これは、施設長にならなければ考えなかったことです。 男性の保育士も増えていますが、保育の現場はまだまだ女性社会です。 いまも女性は、子育てや介護など自身の置かれている環境で仕事の幅が狭くなりがちです。どんなに働き続けたいと思っていても、やめる選択肢しかない場合もあります。 私が施設長につかせていただくなら、働き続けられる雇用形態を用意し、また職場のみんながそれを理解できる仕組みをつくりたいなと思い、実際に「土曜日だけ」「朝2時間だけ」「夕方2時間だけ」「月に一度だけ」といったスポットや専任の先生もいらっしゃいます。みなさん、ご自身の生活にあわせて働ける時間に入ってくださっています。 そうした方がいらっしゃることで、常勤の先生も有給がとりやすくなりますし、実際に開園から4年ずっと残ってくださっている方も多くいます。そのおかげで密なコミュニケーションがとれており、組織としても大切なことだと思います。

行事のときを除いては、私も土日にきっちりお休みをとれており、毎週末のように自分の子どもたちの野球の試合を観に行くことができています。 保育は人と人の仕事なので、やりがいも大きいですが、環境やまわりの人に左右されやすい面もあります。保育の現場に疲れ、離れてしまった自分の経験があるからこそ、これからも環境づくりを大事にしていきたいですね。


ーでは、加藤先生にとって「変わらないこと」はなんでしょうか。

「相手の気持ちを受け止めること」はずっと大切にしています。 子どもの泣いている気持ちをまずは受容する。同じように今は、先生たちの心情に寄りそうように努めています。

また、1日1回は自分のなかで「よかったこと」を考えるようにすること。 もともとネガティブな性格で、夜眠るときに1日の出来事を思い返して「あぁ、やってしまった…」と落ち込むことがあったんです。もっと前向きになりたくて、楽しかったことやうれしかったことを見つけて明日に持っていくことを意識するようになりました。 最初のころは意識をして探していたのですが、次第に小さいことを見逃さずに喜べるようになりました。 今ではもう無意識に楽しいことを探して思い出すようになっています。

いち保育士をしているときは、子どもたちが成長する瞬間に立ち会えたこと、そこに携われたことがやりがいでした。昨日できなかったことができるようになった。歩くのが嫌いで大泣きしていた子が、自分の声かけで公園までの往復の道を歩けた、など。 園長になってからは子どもの成長を直接見る機会は減りましたが、保育の現場をすこし離れたからこそ俯瞰して見る機会が増えたので、先生たちの「よかったこと」を伝えることができています。 「先生の保育、すごくいいですね。こういうこと、自分の子がしてもらったらうれしい!」と積極的に言葉にするようにしています。


ーそうやって具体的に言葉にしてもらえると、先生方のモチベーションにもつながりそうですね!

私自身、言葉にしてもらわないとわからないと思うので、「自分がされてうれしいことをしよう」と、必ず伝えるようにしています。 小さな成長も、先生たちと喜び合うことで大きな喜びややりがいになります。

今、お話ししていて思ったのですが、もしかしたら、この「自分がされてうれしいことをする」が、私がいちばん大切にしていることかもしれません。 細かいことですが、「目を見て挨拶をする」とか。 職場でパソコン作業をしているときでも、顔をあげて「お疲れさまです、また明日!」と言う。家ではキッチンにいても、家族が帰ってきたら玄関に顔を出して「おかえりなさい」をする。 忙しくなると忘れがちですけど、私がしてもらえたらうれしいと思うことはやろう…と意識しています。

ただ、よかれと思って、つい「いいよ、やっておくよ」と先生たちの仕事をやりすぎてしまわないようには気を付けています。施設長だからこそ率先して行動するのは大切ですが、先生たちの経験、成長につながることはしっかり任せる。 大人だけでなく子どもに対しても、成長のチャンスを奪わないように見守るのは大切なことですよね。


保育の現場には、一人ひとりが活躍できる場所がある

ー保育士を目指している、または目指すべきか悩んでる人へメッセージをお願いします。

保育は大変な仕事です。 私自身も続けられなかった時期がありますし、続けることの大変さはよくわかります。 保育の現場を離れた期間の経験や出会いが、今につながっていることもあり、自分にとってはいい時間だったと思っていますが、戻ってきて改めて思うのは、 人と関わるのが好きだったら、保育士はとても楽しい仕事 だということです。 「先生大好き」と子どもから言われるとうれしくて、子どもが自分のことを受け入れてくれたことにいつも感動します。シンプルですが、それがなによりのよろこびですね。

また、今は日常の保育だけでなく、子育て支援や保護者支援のイベントをするなど、保育の現場も多様化しています。 うちの園では、手形アートイベントや親子リトミック教室などもやっており、先生に企画からお願いすることもあり、得意なこと、好きなことで活躍できる機会が増えています。 「子どもが好き」「子どもと関わりたい」ではなく、「子育て支援のお手伝い」から保育の現場に入っていただくこともできます。一緒に子育て支援をする先生たちを知るなかで、日常の保育へと活躍の場を広げていくこともできます。 園長先生のカラーで先生たちのカラーも変わりますし、自分がどういう働き方をしたいのかを踏まえて、ぜひ園に足を運んでみることをおすすめします。 一人ひとりがスポットライトを浴びられる場所がきっと見つかる と思います。


(取材・文:山口美生、撮影:中村隆一、編集:ホイシル編集部)


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施設情報

形態
小規模保育所(19名)
設立
2021年
所在地
神奈川県横浜市栄区笠間2-2-1GRANDSHIP4階
掲載施設数
No.1
ネット受付施設数
No.1
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調査機関:日本マーケティングリサーチ機構