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保育園は、子どもたちから元気をもらえる私のパワースポット 鈴木智子先生

ゆうひが丘保育園豊島
公開日2024年11月28日

今回お話を聞いた方

鈴木
鈴木智子 (園長)

出身地:千葉県野田市 勤務先:東京都北区・小規模認可保育園 保育園勤務歴:8年 園長先生歴:1年目 愛読書:私の好奇心の原点である絵本『おしいれのぼうけん』

幼児教室で学んだ、「人の力」を信じる大切さ

ー鈴木先生が、保育士になるまでの経緯を教えてください。

短大を卒業したあと、幼稚園で先生をしていました。その後結婚と出産を経て、幼児教室のパート、学童の先生を経験したあとに、保育士になりました。


ー最初のキャリアは、幼稚園からスタートしたのですね。幼稚園の先生になったきっかけはなんだったのでしょう。

ずっと憧れている先生がいたんです! 私が幼稚園の頃に担任をしてくださった方で、その先生に会うために小学校に入学してからも学校帰りに園に行っていたくらい、大好きでした。だから、物心つく頃には「その先生みたいな、素敵な園の先生になりたい!」と思っていて。夢を叶えるために、高校は保育科のあるところに進学し、付属の短大で資格をとったあと、幼稚園に就職したんです。


ー子どもの頃からの夢が叶ったのですね!

でも、結局2年で辞めてしまって……。

私が思い描いていた「理想の園」と、実際の現場の姿がかけ離れていたんです。私が新卒で勤めた幼稚園はすごくルールに厳しくて、新人教諭の私たちはもちろん、子どもたちもいつも緊張していました。ひとりで泣いている子がいても、「どうして泣いているの?」と声をかけて、じっくり話を聞いてあげることすらままならなかった。その環境が合わずに短期間で退職してしまったんです。

退職とほぼ同時に結婚して、子どもにも恵まれました。でも、自分の子どもをかわいがればかわいがるほど、「幼稚園の子どもたちには、きちんと寄り添えなかったな」って後悔がどんどん膨らんできて……。今度はきちんと子どもたちに向き合いたいと思い、私の子どもが通っていた幼児教室でお手伝いを始めました。


ー幼児教室では、どんなことをされていたのですか。

保育以外のことは、何でもしました。そこの教室では、ちょっと変わった運営方法をとっていて、子どもだけでなく保護者も教室に通うんです。幼稚園や保育園のように先生はいるのですが、先生の業務は子どもたちのお世話のみ。イベントの企画や広報、事務など保育以外の仕事は、保護者が行っていました。

でも、何かを決めるときや、課題が発生したときは、先生と保護者はもちろん、子どもたちも集まってみんなで一緒に話し合うんです。話し合いを通じて、子どもたちがすごく成長していく姿も見ましたし、子どもたちの考えにハッとさせられることも多かったんですよね。「人の力を信じる」という大事なことを、その幼児教室で学ばせてもらいました。

その後、「もっと他の子育ての現場も見てみたい」と思い、学童の職員に転職しました。ただ、そこで再度、壁にぶつかったんです。


ーどんな壁にぶつかったのですか。

親子関係で悩んでいる利用者が多かったんですよね。親はものすごく子どものことを大事に思っているんだけど、それが子どもに伝わっていない。年齢があがるごとにどんどん関係がこじれていって、「先生、私頑張り方を間違えたのかな」と漏らす保護者も少なくありませんでした。それを見て、「これは人ごとじゃないな」と思って。私は幼児教室で、子育ての悩みや不安に寄り添ってくれる人たちに恵まれました。でも、誰にも頼れずひとりで頑張っているママとパパもたくさんいます。

どんなにすれ違っても、親子関係は軌道修正できると信じてはいるんです。でも、すれ違う期間が長ければ長いほど、修正に必要な時間は長くなります。それを避けるためには、学童よりも「もっと手前」の、未就学児の段階ですべきことがあるんじゃないか、と思っていました。

ちょうどその頃、保育園を経営している友人から、「新しく保育園を立ち上げるから手伝いをしてくれないか」とお誘いがあって。それが、今も勤めている園との出会いでした。


子どもだけじゃなく、親にも寄り添う保育がしたい

ー学童で感じた課題を解決するために、保育士にキャリアチェンジしたのですね。保育士としてはどんなことに取り組まれてきたのでしょうか。

私たち保育者が保護者に寄り添えば寄り添うほど、保護者も我が子に寄り添えるようになる。そうしたら、子どもにポジティブな変化が見られるようになって、その姿を見た保護者は、「もっと子どもと向き合いたい」「子どもとの時間を大切にしたい」と思うようになる。その繰り返しで、親子の絆が育まれていくと思っています。

だから、保育士と保護者が対話する時間をとるようにしました。特に、明らかに疲れていたり、困っていたりする親御さんがいたら、すぐに声をかけるようにしました。声をかける前は、なんとなく不満や不安がある素振りだった親子も、対話を重ねるうちに、自然な笑顔を見せてくれるようになるんですよ。その姿が本当に嬉しくて!

他にも、少しでも親子が向き合うきっかけになればと、1年中保育参観OKにしたり、子どもの様子を連絡帳で細かくお伝えしたりするようにもしています。


ーすごく素敵な取り組みですね。ただ、その体制をつくるには、苦労もあったかと思います。

はい。方針の違いから、先生たちと衝突することもありましたね。でも、その度にお互いが納得するまで話し合いました。私がこの体制をつくったのではなく、私を含めた園の職員全員、保護者、そして子どもたちみんなで協力してつくったんですよ。


ー話し合いを大切にしているのは、幼児教室の経験からでしょうか。

幼児教室での学びは大きいですね。でもそれ以上に、うちの園には素敵な人たちが集まっているからです。この園の仲間みんなで、子どもたちが生き生きと成長していく環境をつくることを、諦めたくなかったんです。


楽しい気持ちは伝染するから、園長が誰よりも楽しむ

ー鈴木先生が園長になったのは、2024年4月からだと聞いています。園長になったきっかけを教えていただけますか。

前園長が退任することとなったため、勤続年数の長い私に声がかかったんです。最初は「私には無理!」と思っていました。でも今は、責任が増える分できることも増えるから、「園長の仕事ってなんて楽しいんだろう!」と思っています(笑)。


ー園長として、大切にしていることがあれば教えていただけますか。

ムードメーカーであること、ですかね。感情は、周りにも伝染すると思うんですよ。楽しい雰囲気の園にしたいなら、園長の私が誰よりも楽しんで園生活を送らなきゃ! と心がけています。

ちょっと話がそれるのですが、園庭になかなか咲かないひまわりがあったんですよ。「今日こそは花びらが見れるかな」と毎日見守っていたのですが、昨日(取材日の前日)、ついに花が開いたんです! 嬉しくって、つい職員みんなにLINEしちゃって(笑)。今朝出勤したら、職員はもちろん、子どもたちや保護者もみんなで開花を喜んでくれたんですよ。「園長が諦めずに毎日お世話しているのを知っていたから、私たちも嬉しい」と口々に言ってくれて、つい顔がほころんじゃいましたね。


ー鈴木先生が、明るい空気をつくられているのがイメージできます。最後に、保育士を目指している方に向けてメッセージをいただけますか。

「あなたが子どもを抱っこしているとき、子どももあなたを抱きしめていることを忘れないで」ですかね。私が保育学科の学生の頃、先生から言われた言葉で、今も強烈に印象に残っています。

学生の頃はよく意味がわからなかったのですが、今は「子どもたちとのふれ合いは、とんでもないパワーを与えてくれる」と伝えたかったんだろうな、と思っています。生きていると、落ち込むこともあるじゃないですか。でも、子どもたちを抱きしめると元気になれるんですよね。そんな子どもたちがいる保育園は、私たち保育士にとってのパワースポットなんです。

子どもと関わる仕事がしたい方は、まずは子どもたちとふれ合ってみてください。きっと、ものすごいパワーをもらえますよ!


(取材・文:仲奈々、撮影:岡村大輔、編集:ホイシル編集部)


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施設情報

形態
小規模保育所(19名)
設立
2017年
所在地
東京都北区豊島1-34-1
掲載施設数
No.1
ネット受付施設数
No.1
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調査機関:日本マーケティングリサーチ機構