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いつまでも記憶に残る先生でいたい 三堀和人先生

サン・キッズ湘南
公開日2024年7月22日

今回お話を聞いた方

三堀
三堀和人 (園長)

出身地:神奈川県平塚市 勤務先:神奈川県平塚市・認可保育園 保育園勤務歴:18年 園長先生歴:1年 趣味:園芸、絵を描く事、バドミントン、バイクづくり

保育園実習で男性保育士の働く姿を見て、保育の道へ

ー同じ園に18年勤め続け、園長になられたとお聞きしています。学生時代から保育士を目指してこられたのでしょうか?

実は、学生時代は盲導犬の訓練士を目指していました。 子どもの頃から動物が大好きで、カメや犬、うさぎを家で飼っていました。カメをポケットに入れて一緒に寝たり、一緒に登校したりする小学生でした(笑) 動物に関わる仕事で、なおかつ困っている人の役に立てる仕事はなんだろう…というところから盲導犬の訓練士を目指すようになりました。


ーそこからどのように保育の道へすすまれたのですか?

目の不自由な方の生活を助ける盲導犬を訓練するには、目の不自由な方についても学ぶ必要があります。福祉や介護について学ぶなかで、保育の実習にいったことがきっかけになりました。

実習受け入れ先の園には、当時はまだ珍しかった男性保育士が2名在籍していました。 先輩方の保育、子どもとのかかわりを間近に見るなかで、保育への想いが芽生えました。 その実習の受け入れ先の園というのが、実は今勤めている園で……。 当時の園長先生はとてもアイディアの引き出しが多い方で、ドアにちょっと傷がついたときに「ペンキで絵を描きましょう!」と楽しみに変えていくなど、保育の奥深さも学ばせていただきました。 ご縁があって卒業後すぐに保育士として入らせていただき、今に至ります。

もともと家族や親戚に保育にかかわる仕事をしている人もいなかったし、カメをポケットに入れて登校していた息子が保育士になって、親戚一同には驚かれました。


毎日同じ保育をしていたら記憶に残らない

ー保育者としてやりがいを感じるのはどんなときですか?

卒園した子たちが、学校卒業や就職など人生の転機に園に来てくれたり、電話をくれたりするのはすごくうれしいし、やっててよかったなと感じます。

僕は、絵を描くことが好きで、新人時代の自分は子どもたちに毎日のように塗り絵を作ってあげていたのですが、卒園生が保育士を目指し実習に来た際に、塗り絵を描いてもらった事が嬉しかったと言ってくれたのはとてもうれしかったです。 実習最終日に実習ノートと一緒にサプライズで当時描いていたキャラクターを描いてプレゼントしたら、今もそれを自宅の壁に貼って、保育士をがんばっているようです。

園での日々、感じたこと、学んだことが子どもたちのなかに残っていればとてもうれしいし、こうしてそれを伝えてもらえると、改めてやりがいのある仕事だと感じます。 保育園は、子どもたちが家庭の次に長く過ごす場所じゃないですか。 それなのに小学校高学年になったらなにも覚えていない、記憶に一切残らないというのは悲しいものです。

なので、ふとしたときに思い出してもらえるような楽しい保育をしようと心がけています。毎日が新鮮で楽しく過ごせる工夫……そのなかのなにかひとつでも長く子どもたちの残るものがあればうれしいです。


ー園長になって、それまでと変わった部分はありますか?

責任もありますし、これまでにはなかった業務もありますが、気持ちの面では変わりません。 子どもたちの記憶に残る先生でいられるように、現場に入って子どもたちと対等に遊んでいます。園長だからって偉いわけじゃないですから。これからも同じ温度感で子どもたちとかかわっていきたいと思っています。


ーでは、園長として大切にしていることはありますか?

一つめは「笑顔」です。スタッフ間のコミュニケーション、保護者対応、そしてもちろん子どもに対して。体調が万全でないときや忙しいときも、余裕のない表情を見せないように笑顔を大切にしています。

二つめは笑顔を絶やさないために必要だと思っていることで、「オンオフをつける」です。 休日はしっかり休み、頭をリセットする。蓄積された課題や悩みも、オフの時間に少し距離をおくことで、また新たな気持ちで立ち向かえます。 非常用の携帯を常に持っているので、休みの日も電話に出た瞬間オンにしなければいけないからこそ、意識してオフにするようにしています。

とか言いながらも、頭の片隅にはいつも保育のことがあり、趣味の園芸やバイクづくりのために植物専門店やホームセンターを訪れたときにも「あっ、これ保育で使えるかも」なんて考えちゃうんですけどね(笑)


時代にあわせて変化できる園をつくっていきたい

ーこれから園長としてどのように歩んでいきたいか、展望をお聞かせください。

自分自身としては、これからも変わらず、園児一人ひとりの記憶に残る先生でありたいと思っています。 時間があけば保育に入り、子どもたちにパンチキックされる先生です(笑) 折にふれて命の大切さを伝えるようにしているので、そうしたことも子どもたちの心に残っていくとうれしいですね。

園長としては、時代にあった保育園をつくること…でしょうか。 今や当たり前になってきた保育ICTも、10年前は考えられないことでした。 時代によって保育も、子どもや保護者も、職員の考え方も変わっていきます。 これから先もずっと、その時々の子どもたち、保護者、職員だれもが居心地がよく、笑顔でいられる場所であるために、時代に合わせて変化していく園にしたいです。


ー「変化していく園」実現に向けて、意識していることはありますか?

職員の得意なことを大事にして、苦手なことをフォローしあえるように取り組んでいます。 僕自身が長く現場にいたこともあり、自分自身も含めて得意・不得意があることはよくわかっています。全員が全員、なんでもできるスーパーマンじゃなくていい。 全員がそろったときに、園としてどんな壁も乗り越えられるようにそれぞれが得意分野でフォローしあえたらいいんです。

男性の保育士は増えてきましたが、僕のような現場あがりの男性園長はまだ少ないのではないでしょうか。 うちの園には他にも数名の男性職員がいます。女性も幅広い年齢の職員がいて、多様性があります。そのだれもが同じ目線で豊かなコミュニケーションをとれることが、変化できる園につながるのではないかと思います。

また、保護者の子育ての悩みも変化していると思います。多様な職員がいるからこそ、こういう内容なら園長、こういう内容なら主任…と役割分担しています。


ー最後に、保育士になりたての先生や保育士を目指しているひとにむけたメッセージをお願いします。

保育士はやりがいのある楽しい仕事です! 子どもたちにとって、園長や主任といった職位は関係ありません。子どもの記憶に残る、接した子どもにとっていちばんの先生を目指してほしいです。 先生たちは様々な保育教材や材料で保育活動の展開や子どもたちが喜ぶカリキュラムを切磋琢磨して考えてることと思います。それも大切な事ですが、僕は、鉛筆一本でも子どもたちを喜ばせられるということを実習生や先生たちにも伝えています。 絵が得意・不得意はあると思いますが、得意ならリクエストの塗り絵などを描いてあげたり……不得意であっても苦手を武器に動物の絵などを描いて、あてっこクイズをしながら笑い合い楽しい時間を子どもたちと過ごす。 難しい内容は考えず小さな『楽しい!』をたくさん子どもたちに与えてあげていただきたいです。

保育の仕事をしていると、感受性が豊かになり、街を歩いていてもいろんな気づきがあります。電車から見える山の色が、季節によって違うこと。茶色に赤に黄色に…灰色も混ざっているな、と配色のバランスや創作のアイディアが生まれてきます。 保育園の看板をせおい、感性豊かに仕事に打ち込んでいると、プライベートも充実すると思いますよ。 オフではしっかり遊び、オンでは全力で保育をし、子どもたちの記憶に残る先生になってください。

保育士を目指している人は、先生たちの楽しい姿、子どもたちの楽しんでいる姿を実際に見てほしいですね。 ぜひ、保育園に見学やボランティアに来てください。


(取材・文:山口美生、撮影:中村隆一、編集:ホイシル編集部)


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施設情報

形態
認可保育園(110名)
設立
2005年
所在地
神奈川県平塚市中堂8-10
掲載施設数
No.1
ネット受付施設数
No.1
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調査機関:日本マーケティングリサーチ機構