一時保育とは、保育園を利用していないご家庭の保護者が、何らかの理由で家庭での保育ができないときに、一時的に保育園などに子どもを預けることができるサービスです。
はじめて「一時保育」を利用する方は、「どんなときに利用できる?」「詳しい利用方法は?」など疑問が多いのではないでしょうか。
この記事では、一時保育の利用方法や料金、利用する際の注意点についてご紹介します。
「一時保育」の利用を検討している保護者の方はぜひ参考にしてみてください。
一時保育とは?
一時保育とは、1日単位や時間単位で子どもを保育園に預けることで、保育園入園前の保護者、幼稚園から入園を考えている保護者に利用されています。
どんなときに利用できる?
一時保育は、仕事、通院、冠婚葬祭だけではなく、買い物や美容院などのリフレッシュ目的まで、基本的にどんな理由でも利用できます。
自治体によっては、理由に応じて利用できる一時保育の種類が違う場合があります。
【東京都江東区の場合】
・非定型一時保育(子育てサポート一時保育)
通院、通学、短期就労、自宅での看護など
・緊急一時保育
出産や病気・けがによる入院、またはご家族の入院の看護及び付添いなど
・リフレッシュひととき保育
用事があるけど子どもを連れていけない、子育てに疲れて少しだけリフレッシュしたいとき
参照:一時的保育/江東区
対象年齢
預けられる年齢は施設や自治体によって異なりますが、一般的に0歳5か月~5歳の小学校に入学するまでの子どもが対象となっています。
預け先
一時保育は認可保育園、こども園、認可外保育園、認証保育所、保育室などで行っていますが、すべての保育園が行っているわけではありません。一時保育をしている保育園は自治体の窓口やホームページなどで確認できます。当日の受け入れ状況や保育士の配置状況によっては、利用できない場合もあるので、事前に施設に確認しておくとよいでしょう。
また、子育て支援センターやファミリーサポートセンター、ベビーシッターを利用するという方法もあります。
それぞれ利用できる子どもの年齢や利用方法、料金などが異なるので、自身の希望にあった施設を利用できるとよいですね。
利用できる時間
施設や自治体によって異なりますが、一般的に9時~18時頃の保育園の開所時間以内であれば利用できるようです。自治体によって初回利用時は4時間以内などの利用時間の制限があるところもあります。
一時保育の料金目安はどのくらい?
一時保育の利用料金は預ける施設や時間によって異なります。また、決められた時間以上預ける場合は、別途延長料金がかかることもあります。
ここでは施設種別ごとに料金の例をご紹介します。
保育園や子ども園
【東京都世田谷区の場合】
・区立保育園
原則、1日 午前8時30分~午後5時 3,000円
午前7時15分~午前8時30分、午後5時~午後6時15分までの時間を希望する場合は、別途延長保育料金がかかる。30分単位200円(1分~30分で200円、31分~60分400円)。
・私立保育園
1日3,000円(8時間程度)
8時間を超える場合は別途延長料金がかかる。1時間あたり500円。
参照:一時保育/世田谷区
【神奈川県横須賀市の場合】
3歳未満児:1時間300円
3歳以上児:1時間160円
給食・おやつ代:500円
キャンセル料の有無や実施時間外の料金は各施設によって異なります。実施時間外の料金は横浜市の上限金額にかかわらず、施設が自由に設定します。
参照:一時保育のご案内/横浜市
子育て支援センター
子育て支援センターは0歳から就学前の子どもと保護者が利用できる地域交流の場です。親子で遊べたり、子育てについて相談ができたりします。
【世田谷のほっとステイ】
・2時間まで1,250円
・3時間まで1,850円
・4時間まで2,500円
・4時間を超える延長1時間800円(延長最大2時間まで)
ベビーシッター
ベビーシッターは保護者の代わりになって子どもを預かり、面倒を見てくれるサービスです。子どもの送迎や身の回りのお世話のほか、保育中に英語やピアノ、リトミックなどを教えることができるシッターもいます。夜間や早朝、病児・病後児保育などに対応できるサービスもあり、その内容や時間にも異なりますが、一般的なベビーシッターの利用料金は1時間あたり2,000円~4,000円程度が多いようです。
一時保育の料金の無償化・減免制度
一時保育を利用する際に利用料金の一部を無償化(償還)や減免する制度があります。
一時保育の料金の無償化制度について
保育の必要性がある3歳から5歳までの子どもたちは月額3.7万円まで、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもたちは月額4.2万円までの利用料が無償化されます。
【対象となる施設・事業】
・認可外保育園
・一時預かり事業
・病児保育事業
・ファミリーサポートセンター事業
一時保育の料金の減免制度について
自治体により利用料金の減免制度があります。一部の自治体の例をご紹介します。
【神奈川県川崎市の例】
対象 | 内容 |
---|---|
生活保護世帯 | ・利用する児童全員が一時保育の利用料免除(無料) ・利用する児童全員の昼食代・おやつ代が日額500円を上限に無料 |
市民税非課税世帯 | 利用する児童全員が一時保育の利用料免除(無料) |
年収360万円未満世帯 | 利用する児童全員が一時保育の利用料免除(無料) |
里親に委託されている児童 | 里親に委託されている児童が一時保育の利用料免除(無料) |
児童扶養手当受給世帯 | 利用する児童全員が一時保育の利用料免除(無料) |
きょうだい減免 | 未就学の他のきょうだいが認可保育所等を同時に利用する場合に、 一時保育を利用するきょうだいの利用料金が、 第2子目は半額、第3子目以降は無料 |
多胎児 | 未就学の多胎児は一時保育の利用料無料 ※就労以外の「緊急・一時保育」のみ適用 |
参照:令和4年度から 一時保育の利用料金の 減免制度の対象を追加・拡充します/川崎市
【愛知県春日井市の例】
対象 | 内容 |
---|---|
生活保護世帯 | 負担軽減額上限 日額3,000円(児童一人あたり) |
市町村民非課税世帯 | 負担軽減額上限 日額2,400円(児童一人あたり) |
市町村民税所得割の額の合計額が77,101円未満 | 負担軽減額上限 日額2,100円(児童一人あたり) |
市長が特に支援が必要と認める世帯の内、 負担軽減を図ることが適当と認められる世帯 | 負担軽減額上限 日額1,500円(児童一人あたり) |
一時保育の手続き方法
一時保育を利用する際のおおまかな利用方法や必要書類、料金の支払い情報についてご紹介します。
一時保育の利用方法
1.一時保育をしている施設を探す
まずは一時保育をしている施設を探しましょう。
お住まいの自治体のホームページなどから確認できます。
2.一時保育を申し込む
施設を探したら、一時保育を申し込みます。
施設や自治体によって申込先は異なりますが、基本的に公立保育園の場合は自治体へ、私立保育園の場合は直接園へ申し込みます。
定員がいっぱいの場合や希望者が多い場合は、抽選になることもあります。
3.申請をする
公立保育園の場合は、利用内定連絡がくるので、その後、申請手続きを行います。
詳しい申請方法は各自治体・施設へお問い合わせください。
申込時の必要書類
必要書類は施設や自治体によって異なりますが、一般的には下記の書類が必要です。
➀利用申込書
➁家庭状況書
なかには健康連絡票や健康・食事確認書の提出、健康診断の受診が必要なケースもあるようです。
一時保育の料金の支払い方法
基本的に公立保育園の場合は自治体へ、私立保育園の場合は直接園で支払います。
自治体への支払いであれば利用後に納付書が渡されるので、納付期限内に金融機関などで支払います。
一時保育を利用する際の注意点
保育園を利用していないご家庭の保護者なら誰でも利用できる一時保育ですが、利用する際に気をつけなければならないことがあります。
ここでは一時保育を利用する際の注意点を4つ紹介します。
注意点➀施設によっては予約がとりにくい
一時保育を行っている施設には定員が決められているため、定員の状況によっては予約ができないこともあります。
施設の空き状況を確認して、はやめに予約を行いましょう。
注意点②利用時間、利用回数に制限がある
あくまでも一時的に預けることができる制度のため、利用時間や利用回数に制限があります。
たとえば3か月以内や、月3日までなど、利用理由や自治体、施設によって異なるので、事前に確認しましょう。
注意点➂利用頻度によっては高額になる
利用料金はさまざまですが、1日あたり3000円の利用料金の場合、継続して利用するとなると高額になります。
預けたい時間や希望の日数がどれくらいの料金になるのかも事前に確認し、計画的に利用できるとよいでしょう。
注意点④一時保育と一時預かりの違い
施設によって、一時保育や一時預かりと呼ばれることがあります。
一時保育と一時預かりは受け入れる対象の違いで呼び方が変わるようです。
・一時預かりは幼稚園や認定こども園に在籍している子ともが対象
・一時保育は保育園や幼稚園に通っていない乳幼児も対象
ほぼ同義語として使われることも多いため、ご自身が利用したい制度と施設で対応している内容が合っているのか確認しておきましょう。
まとめ
急な用事や少しリフレッシュしたいときなどに子どもを預けることができる一時保育は、とても便利なサービスです。
利用するまでに時間がかかったり、希望の日にち・時間に申し込めないこともあるので、なるべくはやめに施設を探し、申請できるとよいですね。
保活・園見学支援サイトのホイシルでは、一時保育をしている施設を簡単に検索できます。
気になる保育園があればサイト内から問い合わせすることも可能です。