仙台市の保育士向け制度について
仙台市は企業や商業施設が多く、子どもを保育園に預けて働く世帯が多い地域です。
待機児童は毎年減少傾向にありますが、保育士の需要は近年ますます高まり、保育の質も求められています。
仙台市では、これから仙台市で保育士として勤めようと考えている人、また保育士として復職する人が安心して長く勤められるよう、様々な助成に取り組んでいます。
今回は仙台市が取り組んでいる保育士向け処遇改善制度についてまとめました。
1.仙台市奨学金返還支援補助金
仙台市では、市内の中小企業へ就職し、働きながら奨学金を返還する人に対し、市の予算の範囲内で奨学金返還支援のための補助金を交付します。
これは市内の産業を担う人材を確保し、その人たちに仙台市で長く働き続けてもらうことを目的に制度化された補助金です。
2021年3月卒業予定者から支援対象が拡充され、保育士も補助金交付の対象となりました。
補助金には、就職先の認定企業からの寄付金が充当されます。
補助金交付の対象者は、大学、短期大学、大学院、高等専門学校、専修学校専門課程を、令和2年度で卒業する見込みで、正規雇用での就職がすでに内定している人です。
支援の対象となる補助金は、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金、もしくは自治体・民間団体等が学資として貸与する資金で市長が認めるものを借り入れている場合となります。
補助金は、最長で3年間、上限を年額180,000円まで受け取ることができます。
受取額は最大で540,000円となります。
ただし、借り入れた額以上の補助金は交付されません。
令和2年の募集は10月6日から令和3年3月31日までですが、認定者数は140名程度で先着順となります。
定員を超えた場合、期間内であっても締め切りますので、早めに手続きを行いましょう。
なお、2021年度就職予定者は現在認定申請を受け付けています。
詳しくは仙台市ホームページをが参照ください。
参考サイト:仙台市奨学金返還支援補助金のご案内
2.仙台市保育士宿舎借り上げ支援事業補助金
直接保育士に対して支給される制度ではありませんが、仙台市には他にも制度として「仙台市保育士宿舎借り上げ支援事業補助金」があります。
これは仙台市の保育士が経済的な負担に起因する離職を考えることなく、安心して継続的に勤めることができるようにと定められました。
事業内容は、事業者が雇い入れている保育士のための宿舎の費用を、自治体が一部負担するというものです。
事業者がこの制度を利用することで、保育士のために借り上げている宿舎の家賃、共益費、管理費の4分の3までが補助されるため、結果的に入居する保育士の負担が軽減される仕組みとなっています。
【事業の対象となる保育士の条件】
・平成30年度以降に雇用されていること
・1日6時間以上勤務、かつ1か月20日以上勤務の常勤保育士であること
・雇用前の1年間で保育士として勤務していないこと
・これまでにこの事業の対象になっていないこと
※全てが満たされていることが条件です。
参考サイト:仙台市保育士宿舎借り上げ支援事業補助金のご案内
3.保育士のためのWEB合同就職説明会
仙台市では、これから仙台の私立保育園施設などに就職を考えている学生や、復職を考えている方に「保育士のためのWEB合同就職説明会」を行っています。
令和2年度は説明会に足を運ぶのではなく、ZOOMを利用しての開催となりました。
家に居ながらにして、仙台市の市立保育園を運営する48事業者の説明を受けることができます。
それぞれの保育園の方針や魅力を聞き、その場で質疑応答も受け付けています。
参考サイト:仙台市保育士のためのWEB合同就職説明会
他にも仙台市は「保育士等就労スタートアップ事業」として事業者へ給付金交付を行っています。
若手の保育士が、仙台市の保育事業を長く担って行けるよう、処遇改善を行なう取り組みを積極的に実施しています。
まとめ
現代社会では共働き世帯が増える一方、子どもを預ける先として保育園の需要はますます高まってきています。
特に若い世代や、再就職を考えている保育士の存在は、どの地域においても期待が大きくなっています。
これからの保育業界において、非常に強力な保育の担い手として引く手あまたと言えるでしょう。
仙台市の保育士として活躍を考えている人は、制度や補助金を有効に活用して、未来に向けて明るいスタートを切ってくださいね。