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保育士資格が取得できる通信制大学とは?

 
保育士になるためには、国家資格である保育士資格を取得するか、国が指定した養成学校を卒業する必要があります。
養成学校のひとつに、仕事をしながら、または子育てをしながらなどライフスタイルに合った学び方ができる通信制大学があります。
 
今回は、保育士になりたいという方に向けて、通信制大学の特徴や選び方についてご紹介します。保育士への転職や就職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
 
 

通信制大学とは

 
通信制大学とは、さまざま事情で定期的に通学することが難しい人の学習ニーズに応えるために作られた教育の仕組みです。決まった時間に、決まった場所(キャンパス)に行くことなく、自己学習と限られた時間の面接授業により学ぶことができます。
 
一般大学と同様、文部科学省に認可された大学のため、卒業することで学位を得られます。そのため、高卒で社会人として働いている方がキャリアアップするために通信制大学で学位をとることも多いようです。
 
 

通信制大学の入学方法

 
多くの通信制大学では、学力試験を設けておらず、書類選考のみの大学が多いようです。
通学制大学との大きな違いのひとつといえるでしょう。
 
小論文の提出や面接など、入学試験内容は各学校ごとに異なりますので、受験前に必ず確認しましょう。
 
 

通信制大学の卒業要件

 
通信制大学を卒業するためには、在学年数や修得単位数などの要件があります。
文部科学省の資料によると、4年制の通信制大学の場合、在学年数は4年以上、修得単位数は124単位以上です。途中編入の場合は、在学年数が短縮され、修得単位数も軽減されます。
 
2年制の短期大学の場合は62単位以上、3年制の場合は93単位以上の修得が必要です。そのうちスクーリングと呼ばれる面接授業で修得しなければならない単位もあるため、それぞれ確認しましょう。
 
在学年数はそれぞれの修業年限以上となっていますが、必ずしも修業年限で卒業する必要はありません。一般大学に比べ、長期在学する方も多い傾向にありますが、最長在学年数は各学校ごとに規定があるため、個々に調べる必要があります。
 
参照:大学通信教育制度について/文部科学省
 
 

通信制大学のメリット

 
通学生大学と比べた場合の、通信制大学のメリットをご紹介します。
 
 

通学が必要ない

 
通学には時間とお金がかかりますが、その負担が少ないことが通信制大学のメリットのひとつです。
 
通学制大学であれば、通学可能な範囲にある学校を選択するか、あるいは、遠方にある大学に通学するために、引っ越しをすることになります。
通信制大学は、自宅で自分のペースで勉強を進めていけるため、通学にかかる時間を勉強に費やすことができます。
 
 

費用が抑えられる

 
通信制大学は通学制大学と比べて、入学金などの費用を抑えることができます。
厚生労働省の資料によると、通学制の国立大学は4年間で約240万円、通信制の放送大学は卒業するまでに要する費用は約70万円と記されています。
また、学校によって奨学金や授業料の免除制度が用意されていることもあります。
 
 

保育士資格が取得できる通信制大学

 
保育士資格が取得できる通信制大学は2種類あります。
必要単位修得にかかる時間や費用にも違いがありますので、確認してから進学先を決めるようにしましょう。
 
 

指定保育士養成施設

 
指定保育士養成施設は、文部科学省により認証された短大、専門学校、大学、通信制大学です。
 
指定保育士養成施設の特徴は、卒業することで卒業資格と同時に保育士資格を取得できることです。なかには、保育士資格に加え、幼稚園教諭の免許も取得できる学校もあります。
就業や子育てにより勉強に専念できない方や保育士資格の取得のみを目指している方におすすめです。
 
自分が行こうと考えている通信制大学が指定保育士養成施設に当てはまるかどうかは、厚生労働省がまとめている指定保育士養成施設一覧より確認することができます。
 
 

指定保育士養成施設以外の大学

 
指定保育士養成施設以外の大学で学び、保育士資格を取得したい場合は、国家試験である保育士試験に合格する必要があります。
 
保育士試験の合格率は20%前後といわれており、合格率は低い傾向にあります。保育士資格の取得を目標としている方は、指定保育士養成施設への進学がおすすめです。
 
 

通信制大学の選び方

 
自分が無理なく勉強できる通信制大学を選ぶため、以下のポイントを確認しましょう。
 
 

所在地

 
通信制大学は基本的に自宅で学習しますが、修得単位のなかにはスクーリング(面接授業)の受講が必要なものもあります。
 
保育士は対人の職業なので、実技の講義が多くあります。
スクーリングだけでなく試験時にも通学が必要になる場合もあるので、通信制大学でも所在地はある程度考慮する必要があります。
 
 

学費

 
通信制大学の学費は、主に入学金、スクーリング費用、資格科目履修費があります。さらに教材費、交通費、実習費、補助教材費が必要です。
 
通信制大学を選び際には入学金だけでなく、教材費や交通費など入学後に必要な学費も考慮したうえで入学を検討してみましょう。
 
 

カリキュラム

 
どのようなカリキュラムがあるのかを確認しましょう。
学習スタイルや、ピアノなどの実技科目、単位修得に必要なスクーリングの時間、保育実習の参加方法など通信制大学によりさまざまです。
 
ピアノなどの実技科目は、保育士資格を取得するための必修科目です。
実技科目の試験がありますが、基本は独学で学ぶ必要があるため、ピアノのレッスンに通うなど自分で環境を整えなければいけません。
 
保育士資格を取得するためには保育実習へ参加をする必要があります。
通信制大学の場合は、自分で保育実習を行うための保育施設を探し、申し込みまでを行うことが多いようです。
 
ご自身の環境に合うカリキュラムがある通信制大学を選ぶとよいでしょう。
 
 

保育士資格を取得できる指定保育士養成施設の一覧

 
保育士資格を目指せる通信制大学は数多くありますが、指定保育士養成施設に当てはまる通信制大学は多くありません。
 
今回は、指定保育士養成施設に当てはまる通信制大学をご紹介します。(2021年4月時点)
最新の情報は厚生労働省のホームページをご確認ください。

大学学部・学科所在地
星槎道都大学通信教育課程 指定保育士養成課北海道北広島市
東京福祉大学保育児童学部 保育児童学科 通信教育課程群馬県伊勢崎市
聖徳大学通信教育部児童学部 児童学科千葉県松戸市
明星大学教育学部 教育学科 (通信教育課程)保育士養成課程東京都日野市
大阪芸術大学通信教育部芸術学部 初等芸術教育学科大阪府南河内郡河南町
神戸親和女子大学発達教育学部 児童教育学部 保育学コース(通信教育部)兵庫県神戸市
姫路大学教育学部 こども未来学科 通信教育課程保育士養成コース兵庫県姫路市
佛教大学社会福祉学部 社会福祉学科 通信教育課程京都府京都市
佛教大学教育学部 教育学科 通信教育課程京都府京都市
吉備国際大学通信教育部心理学部 子ども発達教育学科岡山県高梁市
短期大学
東京福祉大学短期大学部こども学科 こども教育・保育専攻通信教育課程群馬県伊勢崎市
帝京短期大学こども教育学科 こども教育専攻通信教育課程東京都渋谷区
聖徳大学短期大学部通信教育部保育科千葉県松戸市
小田原短期大学保育学科通信教育課程・専攻科神奈川県小田原市
大阪芸術大学短期大学部通信教育部保育学科 保育コース大阪府大阪市
豊岡短期大学通信教育学部こども学科 保育専攻兵庫県豊岡市
近畿大学九州短期大学通信教育部保育科福岡県飯塚市

 
出典:指定保育士養成施設一覧(令和3年4月1日時点)/厚生労働省
 
 

まとめ

 
保育士は、子どもの成長にかかわることができる、とてもやりがいのある職業であると同時に、国家資格が必要な専門性の高い職業です。
 
保育士資格の取得にあたっては、通信制大学に通い保育士資格の取得を目指す方法があり、通学制大学とは違ったメリットがあります。働きながら資格を取りたいときなど、自分のライフスタイルに合わせて通うことができるでしょう。
 
大学によってカリキュラムなどは違うため、大学の特徴を事前に調べて、自分の学習スタイルやライフスタイルに合った大学選びができるといいですね!
 
 

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