日本でもグローバル化が進んできており、英語教育を取り入れる保育園も増えてきています。インターナショナルスクールも人気があり、英語を活かせる保育園で働きたいと考えている保育士さんも増えているのではないでしょうか。
今回は保育士に英語が必要なのか、英語を活かすために持っているといい資格について紹介いたします。あわせて英語を活かして働ける保育施設についても紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。
保育士に英語は必要?
保育士に英語は必要なのでしょうか?先ほどもお伝えしたとおり日本でもグローバル化が進んできているため、保育士にも英語が必要になりつつあります。ここでは2つの大きな理由を解説いたします。
小学校で「英語」の授業がはじまっている
グローバル社会に対応できる人材を育てるために、文部科学省が定めている教育課程の基準である「学習指導要領」が改定され、2020年4月から小学校3年生を対象に英語が取り入れられ、小学校5、6年生では英語は教科として授業がはじまりました。
英語学習をはやい段階からはじめ、慣れ親しむことで英語にたいする抵抗をなくすことができるといわれています。こういった状況からか子どもの習い事ランキングでも上位に英会話が入っています。そのため、保育園や幼稚園でも保護者の希望をふまえて、英語を親しむという意味で簡単な英語を使った活動が取り入れられています。
英語のレッスンを取り入れている保育園では、保育園外から英語の先生を呼んでレッスンをしている園もあるようです。必ずしも保育士に英語が必要というわけではありませんが、子どもたちが英語に触れる機会は増えているのはたしかといえるでしょう。
家庭事情が多様になっている
英語を積極的に取り入れていない園でも英語力が必要になることがあります。それは保護者が英語しか話せないケースです。グローバル化が進んだ日本では、両親ともに外国籍である子どもも少なくありません。帰国子女といわれる海外で暮らしていた子どもが入園する可能性もあります。
保育士にとって保護者とのやりとりは信頼関係を築くために不可欠です。スマートフォンの翻訳ツールなどもありますが、簡単な英会話が直接できると保護者も安心して我が子を預けることができるかもしれませんね。
保育士が英語を活かすために持っているといい資格は?
保育士にも英語が必要な機会が増えている現状についてお伝えいたしました。保育士として英語力を活かしたい場合、保育士の英語力を証明できる資格があります。ここでは2つの資格を紹介します。
【一般英語資格】英検(英語検定試験)・TOEIC・TOEFL
一般的な英語資格として、英検、TOEIC、TOEFLの3つがあります。特に英検は日本国内で認知度が高いため、英語力の証明がしやすいかもしれません。では保育士として英語を活かした仕事をするために、どれくらいの英語力が求められるのでしょうか。実際の求人情報に掲載されている主なレベルや特徴についてまとめました。
求められるレベル | 特徴 | |
英検 | 2級以上 | 日本で知名度が高い |
TOEIC | 730点以上 | 英語力の判断基準となっている |
TOEFL | 60点以上 | 世界に通用する資格 |
インターナショナルスクールやプリスクールでは日常的に英語が使われている施設では、高い英語力が求められています。上記の数値はあくまでも参考値になりますので、自分が受ける施設はどれくらいの英語力が必要なのか、事前に確認しましょう。
【専門英語資格】幼保英検
幼保英検(幼保英語検定)とは、一般社団法人の幼児教育・保育英語検定協会が行っている民間資格のことです。以前は資格保有者のことを「イングリッシュエキスパート保育士」と呼んでいましたが、2019年から「幼保英語士」に変更になりました。幼保英検の内容は次のとおりです。
内容 | |
級 | 4級、3級、2級、準1級、1級の5段階(準1級、1級は面接あり) |
受験会場 | 全国11か所、海外、オンライン |
受験費用 | 級によって異なる(3,500~7,000円) |
受験日程 | 年3回(7月、11月、2月)※1級は7月のみ |
現在のところ、幼保英検には英検やTOEICなどのスコア換算表はありません。
試験は級に合わせてリスニング、筆記、面接があります。一般的な英語力だけではなく、幼児とコミュニケーションがとれる幼児言葉や実際に保育園で使われる言い回しも出題範囲になっています。
保育士が英語を活かして働ける保育施設は?
保育士が英語を活かして働ける保育施設は大きく3つあります。
それぞれ特色がありますので、自分にあった保育園があるか確認してみてください。
英語教育を取り入れいている保育園
英語教育を取り入れている保育園とは、一般的な保育園のなかで英語のレッスンを行っている園のことです。園によって英会話教室を行っている園もあるので、英語は好きだけど話す自信はないといった保育士さんにおすすすめです。
保育園によって英語を取り入れている度合いや、レッスンをする人が担任の保育士かネイティブティーチャーなど異なります。まずは就職を検討している保育園ではどのような英語教育をしているのかを調べてみましょう。
プリスクール
プリスクールとは、主に日本人の子どもを対象に英語で保育を行っている施設のことです。インターナショナルスクールと似ていますが、主に日本人の子どもを対象としているところが異なります。
ほとんどの施設が認可外保育施設で、英語を重視したカリキュラムが行われています。プリスクールも先ほどと同様、施設によって英語のレッスン中のみ英語を使用する、日常保育中にも英語で話すなど、英語の取り組む度合いはさまざまです。
インターナショナルスクール
インターナショナルスクールとは、主に日本に住む外国籍の人が対象の教育機関のことです。未就学児が通う施設のことを「インターナショナルプリスクール」と呼びます。
日本人はあまりおらず、外国籍の子どもが大半をしめています。英語を日常語としているので、保育士も英語で子どもたちとやりとりをしています。それゆえに採用条件として英語での教育経験や留学経験、高い英語資格といった幅広い英語力が求められます。ハードルは高いかもしれませんが、その分、英語を活かして働ける職場といえるでしょう。
まとめ
保育士い英語が必要な場面が増えてきています。その大きな理由として、小学校で英語の授業がはじまったことと、英語レッスンなどを行っている園が増えてきたことがあります。また、両親のどちらかが外国籍だったり、日本へ移住してきたりといった家庭事情の多様化といった背景もあります。
英検などの一般的な資格から幼保英検といった専門的な資格があり、保育士として英語を活かせる職場はいくつかあります。保育士として英語を活かしたいと考えている方は、自分の英語力を検定試験などでチェックしてみてもいいかもしれません。そして就職を希望する園で英語教育が行われているか、事前に確認しましょう。