保育士養成学校を卒業し、いよいよ保育士として保育園で働くみなさん。就職を前にし、期待と不安が入り混じった日々を過ごしているかと思います。
内定が決まってから就職するまでの数か月、どんな準備をしておくべきなのかをまとめました。
準備をしておくことで、保育士生活をより充実させることができますよ!
保育士が就職前にやっておくべき前準備とは?
保育士が就職前にやっておくべき前準備は、以下の5点です。
- 内定先の園を知る
- 持ち物や服装をそろえる
- 研修・自己紹介の準備をする
- 保育士のスキルを磨く
- 必要な資金や援助制度について調べる
一見すると、難しく感じることもあるかもしれませんが、そこまで大変なことではありません。
3月に慌てて準備を始めるということが無いように、内定が決まった時点で徐々に進めていきましょう。
内定先の園を知る
保育園の内定が決まったら、就職先の園について調べてみましょう。
保育方針や、どのような保育を行っているのか。また、必要なものや、行事の様子なども確認しておけるといいですね。
保育方針を知る
就職先の保育園が、どのような保育を行っているのかをチェックしましょう。
「モンテッソーリ教育」や「シュタイナー教育」、「ヨコミネ式」などを取り入れている園であれば、その保育についても調べておきしょう。
必要な持ち物を知る
保育士として働くにあたって、必要な持ち物や服装の指定などを園に確認しておきましょう。
保育園によって持ち物は無地が指定だったり、使っていい色が決められていたりします。
行事を見に行く
内定後に行われる行事を保育園に見学しに行くことも可能です。内定が決まっていなくても、就職を考えている園があるのであれば、運動会を見に行きたいと連絡するのもいいでしょう。
保育園によって、行事の規模や内容は大きく異なります。「こんなことをするんだ」と、保育士として働くイメージもつけやすいので、機会があれば積極的に参加してみてください。
持ち物や服装をそろえる
保育園で必要な持ち物や服装をそろえておきます。
今現在使っているものでもいいですし、新しく購入するのもモチベーションをあげるきっかけのひとつになりますよ。
持ち物や服装は、園によっても多少異なるので、事前に就職先の園に確認しておきましょう。
ここでは定番のものをご紹介します。
メモ帳/手帳
先輩から指導してもらったことはもちろん、子どものちょっとした行動をメモしたり、行事前に自分が行ったことをメモしておくために用意しておきましょう。
手帳には、行事のために子どもとどんな活動をしたのかや、この月にどんな製作をしたのかまでメモしておくと、2年目、3年目……と、将来、過去の保育を振り返ることができる資料になります。
筆記用具
保育日誌や連絡帳、おたよりの作成など、保育士業界はまだまだ手書きでおこなう作業も多くあります。
自分が書きやすいペンを準備しておきましょう。
消えるボールペンは、正式な書類では使えないということと、キャップ式のペンはキャップを落としたときに誤飲につながる可能性があるので避けた方がいいということを頭に入れて、選ぶときに気を付けるといいですね。
また、筆記用具だけではなく、はさみ、のり、修正テープなども保育ではよく活用します。
保育園にも準備されていますが、自分のものがあると何かと便利なので、用意しておくことをおすすめします。
印鑑
シャチハタ、認印、訂正印の3種類を用意しておくと便利です。
提出が必要な書類はもちろん、職員回覧などで確認したことを示すチェックにも使います。
帽子
保育士は戸外で過ごすことが多い仕事です。帽子やアームカバーなど、日焼け対策は必須です。
帽子を選ぶ場合は、散歩先などで走っても風で飛ばされないような工夫があるもの、つばが広すぎて視界を遮らないものを選ぶようにしましょう。
靴下
園によっては、キャラクターものがNGのところもあるので、確認しておきましょう。
指定が無ければ、自分の好きなキャラクターや、面白いデザインのものをチョイスすると、子どもからの注目の的になりますよ。
トートバッグ
A4サイズの入るトートバッグを準備しておきましょう。更衣室のロッカーと、保育室の移動のときに使えます。
書類は、A4サイズの場合が多いので、A4サイズが入るものの方が使い勝手がいいです。
エプロン
必要かどうかは保育園によっても異なるため、必ず確認をしておきましょう。
エプロンが必要な場合は、ひもで結ぶタイプはすぐにとれてしまったり、思わぬケガや事故につながることもあるため、頭からかぶるタイプや割烹着タイプがおすすめです。
無地の指定が無ければ、自分の好きなキャラクターを選ぶと、モチベーションも上がりますよ。
上履き/外履き
保育で使う上履きと外履きを準備しておきましょう。
特に、0歳児クラスの部屋への入室には、別途上履きが必要なことも多いので、園に確認しておくといいですね。
外履きは、脱ぎ履きがしやすいものを選びましょう。
着替え
園によっては、ジーンズやジャージがNGだったり、ポロシャツが指定だったりします。職員がどのようなものを着用しているのか確認しておきましょう。
保育中は、泥汚れや製作での絵具汚れ、子どもの排泄物などで汚れる可能性も多いので、着替えは複数用意しておき、園のロッカーに準備しておくと安心です。
研修・自己紹介の準備をする
内定が決まると、早いところでは2月の中旬くらいから、研修として週に数回保育園で働く機会が設けられます。
1年目でも担任を受け持つことは珍しくないですし、保護者にとっては新卒もベテランも関係ありません。
保育の研修は、保育士として働くうえでの大事な期間ですので、有意義に過ごすためにもしっかりと準備をしておきましょう。
ピアノなど実技の練習をしておく
子どもの前でピアノを弾く機会は多くあります。
あらかじめ子どもたちの好きな歌、季節の行事に合わせた曲や、毎日歌う朝・帰りの曲は練習しておくと不安が取り除けるでしょう。
乳児クラスでは、弾く機会は少ないかもしれませんが、いつ「弾いて」と言われてもいいように、右手だけでも触れておくといいと思います。
シアター類を作る
保育士養成学校時代にも、パネルシアターやペープサートなどを作ったり演じたりする授業があったと思います。
シアター系は保育園にも準備されていることが多いのですが、何個か自分で作って持っておくと、ちょっとした空き時間に披露することができますよ。
「紙皿シアター」、「スケッチブックシアター」は、持ち運びも便利なので時間があるときにぜひ作ってみて下さい。
自己紹介を考えておく
保育士の自己紹介は、行う場所も相手もさまざまです。
担任になったクラスで、他のクラスの子どもたちの前で、保護者の方に対して、先輩保育士に対して……と3月、4月は自己紹介をする場面が多くあります。
さまざまな相手を想定して、自己紹介の内容を考えておくと、いざというときスムーズに話すことができますよ。
子どもに対しては、名札をつくったりイラストにしたりするのもわかりやすくていいですね。
自己紹介の詳しいやり方については『保育実習ですぐできる!自己紹介3つのポイント』で紹介しています。年齢に合わせた自己紹介や子どもの興味を引く方法をお伝えしているので参考にしてみてくださいね。
保育士のスキルを磨く
実際に就職し、仕事が始まるまでの時間を使って、保育士としてのスキルも磨いておきましょう。
ボランティア参加
就職先の保育園で、学生アルバイトやボランティアを募集していることもあります。
就職先以外でも、ボランティアを募集している園や団体は多いので、機会があれば積極的に参加してみましょう。
イベントの進行を行ったり、参加した子どもの様子にあわせた言葉かけをしたり、その様子を観察したりすることは、保育の現場でもスキルとして役立ちますよ。
ピアノや手遊びの練習
上記にもあげましたが、日々の保育の中で季節に応じた歌をピアノで弾く場面は多くあります。
手遊びも、知識としては持っていても、いざ子どもを目の前にすると頭が真っ白になってしまうかもしれません。日常的に練習しておき、レパートリーとして身につけておきましょう。
知っている手遊びを挙げていき、何歳児に合うのか考えてみるのもいいでしょう。
読み聞かせの練習
絵本や紙芝居の読み聞かせは、毎日のように行っています。
子どもから見えやすい持ち方、発声の方法などを意識してみてくださいね。
保育園にも絵本はたくさん置いてありますが、自分が読みやすい絵本を用意しておくためにも、数冊自分で購入して練習しておくといいと思います。
また、どんな絵本があるのか、この季節にはこんな絵本を読みたいなど、本屋や図書館で絵本についての情報を収集するのもいいですね。
シアターの製作
上記にもあげたように、ペープサートやパネルシアターといったシアター系の製作もスキルのひとつです。
エプロンシアターや手袋シアターは作成する時間もかかるので、入職してから作るのは大変です。前もっていくつか準備しておくと、さまざまな場面で活用できますよ。
保育に関する資格の勉強をする
保育に関する資格を取得したり、勉強しておくのも有意義な時間の使い方です。
資格試験のタイミングがあわなくても、勉強して知識として有しておくだけでも、十分効果はありますよ。
子ども環境管理士や、食育スペシャリスト、ベビーマッサージなどの保育に関する資格はもちろんのこと、書類作成のためにパソコンを使用することが多いので、エクセルやワードの資格も勉強しておくと重宝されます。
保育士国家試験についての詳しい内容は「【保育士の国家試験①】実技試験を徹底解説」「【保育士の国家試験①】筆記試験を徹底解説」をご覧ください。
必要な資金や援助制度について調べる
新卒保育士の中には、就職を機に一人暮らしをする方もいらっしゃると思います。
資金はいくら必要か、準備しておくものや援助制度についても調べておきましょう。
引越し資金、引っ越し先を確認する
一人暮らしをするのであれば、まずは住む場所を探すことが大切です。
保育園の近くでもいいですが、生活圏内に働いている保育園の子どもがいるため、プライベートがなくなってしまうというデメリットもあります。できれば1駅離れた、遠くも近くもない距離を目安にすると、仕事とプライベートの切り替えがしやすくなりますよ。
引っ越しは、ハイシーズンである3月だと費用が高くなります。引越し時期を考えたうえで早めに見積もりをとり、どのくらいの費用が必要なのかを調べておきましょう。
銀行口座を用意する
給料の振込先である銀行口座を、事前に作成しておきます。
園によって銀行の指定もあるため、確認しておきましょう。中には地方銀行が指定の園もあり、引越しを伴う場合は作成に時間がかかるので注意が必要です。
園独自の援助制度
就職先の保育園で、独自の援助制度をとりいれている園もあります。
内容はさまざまですが、引越し資金の補助や一人暮らしにあたってのサポート手当てなどが主なものとなります。
制度には、規定を設けている場合が多いため、利用を検討している場合は必ず確認しておきましょう。
自治体独自の援助制度
自治体によっては、一人暮らしの保育士の家賃援助を行う「借り上げ社宅制度」や、保育士資格を持ち、その自治体内で働く保育士に対して補助が支払われる制度をとりいれているところもあります。
借り上げ社宅制度は、実施しているのかどうかを園に確認し、必要書類を提出する必要があるため、事前に揃えておきましょう。
自治体独自の全保育士に対する制度は、園が窓口となり手続きをすることが多いです。
自治体の制度により、給料が大幅に変わってくることもあるので、自分の住んでいる場所の制度を調べておくといいでしょう。
まとめ
保育士としての就職が決まり、仕事が始まるにつれて期待と同時に不安も大きくなってくると思います。
保育士として有意義な生活をおくるためにも、早めに自分のスキルを磨いたり、準備を行ったりしていけるといいですね。
保育士の仕事は、子どもの成長を間近で見ることができ、子どもとともに自分も成長していける仕事です。最初はできなくてあたり前です。結果ばかりを求めず、自分らしさを保育にも生かしていってくださいね。