保育園に関わる職種とは? 目指そう保育士

保育園に関わる職種とは?

「保育園で働く人」と言えば、一番に思い浮かぶのは保育士ですよね。園に通う子どもの生活習慣の指導から保護者対応まで、保育士が中心となって動いていることは間違いありません。しかし保育士の他にも、子どもたちの園生活を支えている職種の方がたくさんいることをご存知でしょうか。今回は保育士だけでなく、保育園で働くさまざまな人とその役割について、必要な資格や仕事内容をご紹介します。

保育園ってどんなところ?

保育園とは、就労などを理由に家庭での保育ができない保護者に代わりに保育をする、厚生労働省管轄の福祉施設のことです。一言に「保育園」と言っても、その中には更にいくつかの種類があります。

認可保育園:国が定める基準を満たし、都道府県等の認可を受けて運営している
認可外保育園:認可保育園以外の保育施設
認証保育園:都が定めた基準を満たしている保育施設。認可保育園だけで対応できないニーズに対応するために作った、東京都独自の保育施設
認定こども園:幼稚園と保育園の特長を持ち合わせた施設
地域型保育:保育ママや小規模保育、事業所内保育、居宅訪問型保育など、0~2歳の子どもを少人数で保育する施設

各施設ごとに特徴もさまざまです。詳しくは『保育園の種類は?違いはなに?』で解説していますので参考にしてみてください。
また、内閣府が発表している『子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK』にも説明がありますのでご覧ください。

保育園で働く職種

冒頭でお話ししたように、保育園では保育士以外にもさまざまな職種の人が園を支えています。それぞれの職種について、詳しくご紹介します。

保育士

まずメインとなるのは保育士です。保育士とは、子どもに関する専門的知識を持って、日々生活の援助を行う国家資格を持った人を指します。

資格:保育士資格
取得方法:①保育の専門学校や短大、大学等を卒業する②国家試験に合格する
主な仕事内容:子どもの保育、排せつや食事の援助、保護者対応、行事の準備・実行、地域との交流活動、おたよりや書類の作成等

保育士はただ子どもと遊ぶだけではなく、排せつや食事のサポートなどをして子どもが生活習慣を身につけられるようにしていきます。子どもの自己肯定感を育み、のびのびと育っていくために、とても身近で長時間関わっていく大切な存在となります。

また保護者に子どもの様子について話をしたり、時には保護者からの子育ての相談に乗ったりすることもあります。信頼関係を築かなくてはいけないため、丁寧かつ相手に寄り添った対応が必要とされます。

保育士の働き方は、園の開園時間にもよりますが、早番では7時頃~、遅番では11時頃~勤務開始など、シフト制によって勤務時間が変動するのも特徴的です。

<1日の流れ>
7:00~ :子どもの受け入れ、保護者対応、検温
9:00~ :活動(お散歩や園庭、室内遊び)
12:00~:給食
13:00~:寝かしつけ、休憩
15:30~:おやつ
16:30~:各自降園、自由遊び
18:00~:延長保育
18:30~:夕飯
20:00 :閉園
※あくまで一例です。園のスケジュールやシフトによって出退勤時間は変わります。

看護師

病院で働くイメージが強い看護師ですが、実は保育園でも働くことができます。

資格:看護師、保健師、准看護師
取得方法:保健師国家試験・看護師国家試験・准看護師試験に合格、
主な仕事内容:保健指導、与薬、保育補助業務

看護師がいる園では、薬を必要としている子どもへの与薬を任されます。また感染症が流行る時期には、子どもたちの体調管理をすることも大切な仕事です。体調不良の子どもがいるときには慎重に様子を観察し、判断しなくてはいけません。

その他に重要なポイントとして挙げられるのが、保育業務です。平成27年に法律が改正され、看護師・保健師・准看護師はひとりに限り保育士とみなすことができるようになりました。そのため保健業務がないときには、保育士として保育業務をこなすこともあります。看護師も子どもと関わる機会が増え、近年新しい働き口として人気を集めています。

(出典:内閣府「保育の担い手となれる看護師の対象拡大により、健康管理など保育の質が向上

<1日の流れ>
8:00~ :出勤
9:00~ :子どもの体調チェックやお休みの確認、保育補助
11:30~:食事介助(主に乳児の介助)
12:00~:寝かしつけ、書類整理、休憩
15:00~:おやつ介助
16:00~:保育補助
17:00 :退勤
※あくまで一例です。保育園の状況などによって変わります。

調理員

保育士_給食

園内で給食やおやつを調理している保育園では、調理員を置かなくてはいけません。このとき「調理員」として配置されるのは主に調理師、管理栄養士、栄養士の資格を持った人が多くなっていますが、必ずしも資格は必要ありません。

資格:管理栄養士、栄養士、調理師
取得方法
管理栄養士・・・養成校を卒業し国家試験に合格する、
栄養士・・・養成校を卒業する
調理師・・・調理師試験に合格する、養成校を卒業する
主な仕事内容:献立の作成、給食やおやつの調理、食育活動、衛生管理、配膳、食器の洗浄、下ごしらえ ※献立の作成は管理栄養士、栄養士のみが可能

「調理員」としての勤務ではなく、「栄養士」として勤務する場合は管理栄養士もしくは栄養士の資格が必須です。また調理員との違いは、献立の作成ができるかどうかで、この仕事は栄養を管理する知識を有した栄養士の資格がないとできません。

しかし、いくつもの系列園を運営している保育園では、現場で働く調理スタッフではなく献立を作成するためのスタッフが別で設けられていることもあり、栄養士でも必ずしも献立作成があるとは限りません。

その他にも、保育園にはさまざまな子どもが通っているため、アレルギー児への対応も必須です。朝出勤したら給食の準備に取り掛かり、給食が終われば片付けをしておやつの準備、と1日忙しいスケジュールになっています。

<1日の流れ>
8:00~ :出勤、下ごしらえ
9:00~ :お茶の準備(戸外活動をするクラスに水筒を準備します)
9:30~ :給食の調理
11:30~:クラスごとに給食を提供
13:00~:給食の下膳、食器洗浄、休憩
14:00~:おやつの調理
15:00~:おやつを提供
16:00~:おやつの下膳、食器洗浄、書類作成、翌日準備
17:00 :退勤
※17:30~:夕飯を提供している保育園では調理をしている場合があります。

事務員

保育士だけでは手が回らない事務作業を手伝うために、事務スタッフを配置している園もあります。

資格:なし
主な仕事内容:掃除、保育料の計算やスタッフの給料計算等経理業務、電話・来客の対応、備品管理、保護者対応、業者対応、書類作成、ホームページ管理、その他保育の補助

実は業務量が多く、大変な仕事である保育事務。運営元が大きな園では経理業務は専門のスタッフがいることもありますが、園内で行う集金管理等は事務の仕事として任されることが多いです。

保育業務で手が空かない保育士に代わって掃除をしたり、備品の管理や発注もしなくてはいけないことから、自分で考えて動く力が求められます。子どもと直接関わる機会は多くありませんが、中には行事に参加したり保育補助に入ったりする園もありますよ。

保育園ではさまざまな職種の人が働いている

保育園は保育士だけでなはく、さまざまな職種の人によって成り立っていることが分かりましたね。仕事内容はそれぞれ異なりますが、どの職種も子どもたちのために必要な存在です。ぜひ興味のある職種で、未来を担う子どもたちの成長に関わるやりがいのあるお仕事をしてみませんか?

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