潜在保育士が復帰するための補助金とは? 再就職支援

潜在保育士の復帰を支援する補助金制度をわかりやすく解説!

年々、共働き世帯も増えていくなかで、待機児童解消のための最大の一手となる保育士確保は、地域によってはいまだ解決に至らない深刻な問題となっています。

人材不足が深刻化の一途をたどる一方で、自治体もさまざまな政策を打ち出しています。

そのなかでも、保育士資格を持っていながら、現在は保育士として就業していない「潜在保育士」が保育士として復帰するための補助金制度に焦点をあて紹介します。

保育士は慢性的な人材不足

現在、行政は女性の就業率の上昇に対応しているとは言い難い状況にあります。

待機児童解消に向けての施策は、自治体ごとに進められていはいるものの、地域によってばらつきがあることは否めません。子どもを保育園に入園させることができず、就業できない母親が増加している今、早急の対応が必要であると叫ばれています。

そのためには、必要な知識や経験を持った保育士の安定的な確保が重要です。特に、保育士の資格は持っているものの、実際には保育士としては就業しなかった人や、家庭に入ってしまい現在は働いていない人の能力を活用することで、安心して子供を預けられる質のいいサービスの提供が可能となります。

そういった「潜在保育士」の就業環境を整えるために、現在各自治体が取り組みを進めています。

保育士確保のための施策は増えている

それでは、潜在保育士を確保するメリットとは、いったいどのようなものなのでしょう。

詳しく見ていきます。

潜在保育士の能力を生かすことが重要

一言に「潜在保育士」と言っても、実際に保育に携わる仕事をした人もしなかった人もいるでしょう。しかし、その分、別の体験をしてきた人も多いはずです。

例えば、民間企業での就業経験は保育現場のみならず、運営の場でも生かされますし、もしご自身が子育てをされた経験があるのであれば、それは現場の仕事に直結する経験になります。

復職したいと思っている潜在保育士を安心して迎え入れるようにする施策は、徐々に増えてきています。

潜在保育士の再就職、環境に対する支援

復職を考えている潜在保育士の職場復帰に向け、国はたくさんの支援策を打ち出しています。 保育士資格は持っているものの、いざ復職するとなるとブランクが不安……そんな風に考える方も少なくないでしょう。

その不安を解消するため、保育技能研修制度が整備されている自治体も多く、必要な知識を現場に戻りながら再度取り入れて生かすことができるようになっています。

厚生労働省の打ち出した支援策として、就職準備金を最大で40万円を貸し付け、2年間勤務することで返済が免除となる制度や、未就学児がいる潜在保育士に対し保育料の一部を貸し付け、2年間勤務することで返済免除となる制度もあります。実際の運営は自治体が行うため、問い合わせ先は自治体となります。

また、このほかにも給料の上乗せや家賃の補助などを制度化している自治体もあるので、詳細はお住まいの地域の保育士・保育園支援センター、またはハローワークへお問い合わせください。

参考:厚生労働省/保育士確保

潜在保育士の復帰を支援する補助制度にはどんなものがある?

それでは、実際にどのような取り組みをしているのか、代表的な自治体について紹介します。

東京都の潜在保育士支援

東京都社会福祉協議会では、潜在保育士が保育所に再就職するに当たって、一人1回限り、40万円までの間で必要な費用を無利子で貸し付ける制度を設けています。

また、未就学児を持つ潜在保育士が保育所に就職または復帰する場合、保育料の半額(最大月額27,000円、一年限り)、一部を貸付ける制度を設けています。どちらも、2年間保育士として継続して就労することで、貸付金
が返還免除となります。

※R2/10/30まで
参考:東京都社会福祉協議会/潜在保育士の再就職支援事業

埼玉県の潜在保育士支援

埼玉県福祉人材センターでは、潜在保育士が保育所に再就職するに当たって、一人1回限り、20万円までの間で必要な費用を無利子で貸し付ける制度を設けています。

また、未就学児を持つ潜在保育士が保育所に就職または復帰する場合、保育料の半額(最大月額27,000円、一年限り)、一部を貸し付ける制度を設けています。

※どちらもR3/3/31まで
参考:埼玉県福祉人材センタ/保育所復帰支援貸付

東京都杉並区の潜在保育士支援

東京都杉並区では、潜在保育士支援に加え、直近3年間で保育士勤務をしていない潜在保育士の就業支援のために、5万円の区内共通商品券を配布する予定です。また、就職相談会や面接会を行っています。

※↑R3の予定。R2は開催済み。
参考:杉並区/杉並区内の私立保育園で働きませんか 区の就職支援のご案内

静岡県の潜在保育士支援

静岡県社会福祉協議会では、潜在保育士が保育所に再就職するに当たって、一人1回限り、40万円までの間で必要な費用を無利子で貸し付ける制度を設けています。

また、未就学児を持つ潜在保育士が保育所に就職または復帰する場合、保育料の半額(最大月額27,000円、一年限り)、一部を貸し付ける制度を設けています。

さらに、ファミリーサポートなどの預かり支援事業を利用している人の利用料金の半額(最大年額123,000円、最大2年間)を貸し付けています。どちらも、2年間保育士として継続して就労することで、貸付金が返還免除となります。

※いずれもR3/3/31まで
参考:静岡県社会福祉協議会/貸付事業

兵庫県明石市の潜在保育士支援

明石市では、潜在保育士が保育所に再就職するに当たって、一人1回限り、40万円までの間で必要な費用を無利子で貸し付ける制度を設けています。

また、未就学児を持つ潜在保育士が保育所に就職または復帰する場合、保育料の半額(最大月額27,000円、一年限り)、一部を貸し付ける制度を設けています。どちらも、2年間保育士として継続して就労することで、貸付金が返還免除となります。

また、保育士のお子さんは優先的に保育園に入所できる取り組みがされています。

参考:明石市/保育士になるなら明石市へー待遇を充実させていますー

神奈川県平塚市の潜在保育士支援

平塚市では、潜在保育士が保育所に再就職するに当たって、一人1回限り、100万円までの間で必要な費用を無利子で貸し付ける制度を設けています。

5年間保育士として継続して就労することで、貸付金が返還免除となります。また、「保育士就職セミナー」を行い、民間保育所の法人担当者に直接仕事内容を聞くことができる相談会を開催しています。

参考:平塚市/平塚市保育所等保育士就職促進貸付金事業

京都府京都市の潜在保育士支援

京都市では、潜在保育士が保育所に再就職するに当たって、一人1回限り、40万円までの間で必要な費用を無利子で貸し付ける制度を設けています。

他にも、再就職支援研修・就職支援実技研修として、ブランクのある保育士に対し講義と実技を組み合わせた研修や、「保育士就業サポートアップ研修会」を行っています。

※保育士就業サポートアップ研修会はR3/2/6
参考:京都府福祉人材・研修センター/貸付のご案内

ぜひ保育士としての復職を目指してみませんか?

保育士需要は、年々高まっています。

そのため、厚生労働省や自治体では、復職の支援や離職の防止のための取り組みを積極的に行っています。また、最近では正社員としての就業以外でも、パートや派遣など、ライフスタイルに合った働き方も多く提案されるようになりました。

これまでに保育経験がない人も、資格を取得した時の保育に対する熱い気持ちをアピールし、ぜひ保育士としての復職を目指してみませんか?潜在保育士への支援は、お住まいの自治体のホームページに掲載していますので、ご確認ください。

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