【潜在保育士必見】 復職支援にはどんな補助金やセミナーがあるの? 再就職支援

【復職の不安を軽減!】 保育士の復職支援にはどんな補助金やセミナーがあるの?

今は保育士として働いていないけれど、復職を希望している潜在保育士もいるでしょう。しかし、「ブランクがあるから、また働けるのか心配」「待遇が低すぎて大した給料にならないかもしれない」とお悩みではないでしょうか。

近年、潜在保育士の復職を支援するために国や自治体は補助金やセミナーの開催などを行い、さまざまな施策を打ち出してきました。この制度を活用して、復職に役立ててみませんか?

今回は保育士が復職するための支援制度や補助金、保育士の処遇改善について、復職支援制度を受けるメリットなどをご紹介していきます。
※支援制度や補助金は自治体や事業者によって違いますので、各自治体のホームページをご確認ください。

潜在保育士とは

厚生労働省は潜在保育士の定義を「保育士資格を持ちながらも保育士として就業していない人。なお、保育士としての勤務経験がある人、ない人どちらも該当する。」としています。
2019年時点で約95万人の潜在保育士がいます。
※出展:厚生労働省「保育士の現状と主な取組

潜在保育士が注目されるのはなぜ?

保育士の人材を確保するために、潜在保育士の復職が重要視されています。
待機児童数は減少傾向にはあるものの、まだ解決には至っていません。
その原因の一つに保育士不足が挙げられます。
内閣府は「約7.7万人分の保育人材の確保が必要」と言っています。
待機児童の問題解消には欠かせない保育士の確保のために、資格を持ちながらも保育士として就労していない潜在保育士に注目が集まっているのです。

再就職しない理由

厚生労働省によると、就労していない理由は29.6%が「条件に合う求人がない」26.4%が「就職に不安がある」という回答でした。
条件を整えれば復職できる人がおよそ6割いるということです。
出典:厚生労働省「潜在保育士の実態について」

保育士の復帰支援制度・補助金

近年、国や自治体は、潜在保育士の復職を支援するための制度や補助金を充実させています。
貸付事業は都道府県や一部の政令指定都市が実施主体となっていますが、多くの場合は社会福祉協議会へ委託されています。

就職準備金貸付制度

保育士として就労するために必要なお金を貸し付けてくれる制度です。
最大40万円まで借りることができ、2年間継続して週20時間以上勤務した場合は返還が全額免除になります(地域によっては20万円)。

【実施自治体】
北海道、青森、岩手、宮城、山形、福島、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨、長野、富山、石川、福井、愛知、岐阜、静岡、三重、大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
札幌市、さいたま市、北九州市、福岡市など

未就学児の保育料貸付制度

未就学児を持つ保育士で、保育の仕事に就くことが決定している人に保育料の一部を貸し付けてくれる制度です。
保育士として、保育の業務に2年継続して従事した場合は返還が免除になります。

【実施自治体】
北海道、青森、岩手、福島、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、山梨、長野、富山、岐阜、静岡、大阪、兵庫、京都、滋賀、和歌山、鳥取、島根、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄
札幌市、さいたま市、北九州市、福岡市など

保育士研修・セミナー

各地で潜在保育士を対象にした研修が行われています。
講義や実践的な保育技能研修、就職相談会などがあります。
今回はその中からいくつかご紹介いたします。

兵庫県明石市・三宮市

兵庫県では保育士資格を保有しながら保育現場で勤務していない方(潜在保育士)を対象に研修を開催しております。復職への不安を取り除くため、実践的な保育技能などを学び、最新の保育事情や現役保育士の体験談、就職情報を研修の中で学べます。
研修内容は下記のとおりです。

1日目・保育における環境構成
・子どもとの関わり方
・身体を使った遊び
・モノを使った遊び
・特別な配慮を必要とする子どもの保育
2日目・子ども理解は保育の出発点
・子どもとの関わり方
・身体と音楽を使った遊び
・言葉を使った遊び
・保育における環境構成

東京都保育人材・保育所支援センター

東京都保育人材・保育所支援センターでは、保育士資格を保有し、保育所勤務未経験者またはブランクの長い方を対象に、講義と保育所での実習を行っています。研修をすることで専門職としての知識・技術の回復を目指し、保育所へのスムーズな就職につなげることを目的として開催します。
なお、実習はブランク期間や経験、スキル等に応じて3コース(1日、3日間、5日間)から選べます。

1日目・オリエンテーション
・保育の心理学
・保育所保育指針改定の背景と概要
・保育所選びのポイントと保育士資格が生かせる職場
・特別な配慮を必要とする子どもの保育
・子どもの食と栄養
・保育実技1
2日目・保育所での事故防止
・安全対策
・保育所の一日とその特徴
・乳児保育の基本
・子どもの健康と保険
・保育実技
・就職活動について
・実習オリエンテーション

保育士処遇改善について

再就職後も、国による保育士の処遇改善が行われています。

給与の処遇改善

厚生労働省の進める「待機児童解消加速化プラン」に、保育士の処遇改善も含まれています。
保育士の平成25年の年間平均給与は310万円でしたが、平成28年には327万円に上がりました。
さらに、技能や経験に応じて月額5千円から4万円の給与改善を行っています。

書類作成業務の省力化

保育園では、ICT(情報通信技術)を活用した書類作成業務の省力化を進めています。
日々の保育記録や月案・週案などの作成、連絡帳などのお知らせもパソコンやスマートフォンでできるので、事務仕事の負担が軽減されます。

保育士宿舎借り上げ支援事業

保育士の宿舎を借り上げるための費用の全部、または一部を支援する制度です。
新規採用者~採用後10年未満の人が対象となります。
補助単価の上限は一人あたり月82,000円です。
また、住宅手当制度と違い給与にはあたらないので、課税対象から外れます。
なお、自治体によって補助金額が異なる場合があるので、自治体のHPをご確認ください。

復職支援制度を受けるメリット

前述したように現在、自治体や保育団体から復職に向けた支援制度が多く出されています。

補助金により安定した収入を得られる

就職準備金貸付制度は、最大で40万円の貸付を受けることができ、条件を満たせば返済も免除となるため、大きな収入になります。
また、保育士宿舎借り上げ支援事業では月に最大82,000円の支援を受けることができる上に、節税にもなります。保育園に復職を考えているなら、ぜひ利用したい制度です。
※補助金額は自治体によって異なる場合がありますのでご注意ください。

保育士としての技術が上がる

セミナーや研修を受けると、保育の専門知識が身につきます。
保育所保育指針もどんどん改定されていますので、常に新しい知識を学ぶ必要があります。
またブランクがあったり資格があっても経験がなかったりすると、保育士としてきちんと働けるのかどうか不安になりますよね。
研修やセミナーを受ければ保育の知識や技術はもちろん、いま保育士が何を求められているのかを学ぶことができます。
例えば、手遊びをひとつ覚えて園で実践するだけでも、保育の現場で役に立ちます。
復職を考えている人には、研修やセミナーへの参加をおすすめします。

補助金やセミナーを利用して保育士に復職しよう!

厚生労働省は、待機児童を解消するために必要な潜在保育士の確保に向けて、大きな施策を打ち出しました。
これからも、保育士のニーズは高まっていくでしょう。
今や、保育士という職業はやりがいに頼る時代ではなくなりました。
給与や重労働がネックで復職を迷っている方は、このような支援制度をうまく利用して、もう一度保育士として働いてみてはいかがでしょうか。

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