保育園で働く保育士の仕事内容 保育のお仕事図鑑

保育園で働く栄養士の仕事内容とは?

保育園で働く栄養士の仕事内容とは?

保育園では、調理担当者として、栄養士免許を持った職員が勤務していることが多くあります。保育園で働く栄養士の仕事内容とは、どういったものがあるのでしょうか?今回は、保育園で働く栄養士の仕事の内容や、一日のスケジュールなどを紹介します。

保育園の栄養士の主な業務や役割は?

まず、保育園栄養士の主な業務について紹介します。なんといっても主な仕事は、給食を提供することです。ただし、その給食を作って子どもたちに提供するまでには、細かい仕事があります。

  • ■献立作成
  • ある程度決まった栄養素が充足するような内容の献立を作成します。エネルギーだけではなく、たんぱく質、脂質、糖質やカルシウム、鉄の他に、塩分にもある程度摂取量が決まっています。それ以外にも、保育園にある《食育計画》や《旬の食材》、《乳幼児期に適した食べ物》を献立に反映していきます。栄養士だけの意見ではなく、保育園に務める保育士や看護師の意見もまんべんなく参考にしていくことが求められます。
  • ■発注作業
  • 作成した献立に沿って、発注作業を行います。ほとんどの保育園では栄養価計算ソフトというものが導入されているため、発注もそのソフトを使って行うところがほとんどです。
  • ■離乳食献立表
  • 保育園には0歳のお子さんから入園されることがあります。幼児食だけでなく、離乳食もその日の献立から展開して作成します。また、園での給食で初めて食べるものがないように、0歳児クラスの担任や保護者さんとは特に密に連携をとる必要があります。保護者さんが忙しかったり、病気をして離乳食の進みが悪かったりすることもあります。そんなときには、声かけをしたり、相談にのることもあります。
  • ■アレルギー対応
  • 低年齢のお子さんをお預かりする保育園。そのお子さんが、成長する過程においてアレルギー反応を起こしてしまう食べ物が出てくる場合があります。保護者さんからの依頼を受け、主治医の指示のもとアレルギー対応を行います。厚生労働省から示されている「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」などを参考にして、お子さんが安心して食べられる給食提供に努めます。食べられない食材を除去し、必要に応じて代替食を提供します。近年、アナフィラキシー症状を持つお子さんも増えていることから、保育園全体での共通認識が必要となります。
  • ■調理作業
  • 献立に沿って調理します。納入される食材を検品し、異物が混入しないように丁寧な作業を心がけます。子ども向けの優しい味付けにし、噛んだり飲み込んだりしにくいものについては、年齢に応じて切ったり小さくしたりして提供します。子どもに提供する前に、施設長や責任者による検食を実施します。この検食とは、安心安全に給食が提供できるかを見るためのものです。また、この検食で異常が見つかった場合には、給食提供を見合わせる場合もあります。
  • ■午後おやつ
  • 給食を食べたあと、子どもたちは午睡します。その間に、給食の食器を洗ったり、3時のおやつを作ったりします。
  • ■書類整理
  • 当日気になった点や、次回に生かしたい内容について、給食日誌に記載をします。また、使用した調味料の計算を行ったり、業者からの納品書を計算したりします。
  • ■食育活動
  • 毎日の給食そのものが食育活動につながっていますが、それ以外にも栄養士が直接子どもの前で旬の野菜の紹介をしたり、食事マナーについて話をしたり、栄養素についての説明をしたりすることもあります。

保育園の栄養士の1日のスケジュールとは?

 8:30~業者から納品された食材を検品し、調理作業

 11:00~給食提供、子どもたちが食べている様子を保育室に見に行く

 13:00~食器洗浄、午後のおやつ作り

 15:00~午後おやつ提供

 16:00~午後の食器洗浄、事務仕事、明日の準備

 17:30~仕事終了

栄養士が保育園で働くことのメリット・デメリット

 栄養士として保育園で働くと、どのようなメリット、デメリットがあるでしょうか? 

メリット

 ①子どもの成長を間近で見ることができる。

苦手だったものが食べられるようになったり、赤ちゃんだった子がしっかり者の年長さんになったり……たくさんの子どもたちの成長を近くで見ることができることが、最大の魅力です。

 ②業務を幅広く行うことができる。

栄養士として勤務する現場によっては、献立作成の栄養事務のみ、調理作業のみ、といったところもあります。その点、保育園栄養士は食数もそこまで多くなく、給食とおやつの提供のみなので献立作成から発注、調理作業まで幅広い業務を任され、スキルアップすることができます。

 ③食育推進ができる。

  近年「食育」と盛んに言われるようになりました。子どもたちに、食の大切さ、楽しさ、素晴らしさを直接伝えることができます。

デメリット

 ①命に関わる仕事である。

近年、アレルギーをもつお子さんが多く、献立を考えることも大変になってきています。子どもたちの健康に関わる、非常に責任の重い業務であることから、プレッシャーを感じることも多くあります。

 ②忙しくて休む時間がない。

給食提供時間が決まっているので、業務開始時刻から息つく暇がないこともあります。お誕生会や行事食の時などは、いつもよりもごちそうになるので特に大変です。

 ③立ち仕事である。

  仕事時間のほとんどが、立ちっぱなしになります。洗浄作業の時などは前かがみになって食器を洗うので、腰に負担がかかります。体力勝負の職場でもあります。

保育園の栄養士に向いている人の3つの特徴

 それでは、どのような人が保育園栄養士にむいているのでしょうか?特徴を挙げてみましょう。 

 ①子どもが好きな人。

やはり、子どもが好きでなければ務まりません。子どもたちの成長を、保護者さんや保育士さんと一緒に喜ぶことができるのが大切です。 

 ②料理が好きな人。

メインの業務は、調理です。まずは、料理することが好きでないと続かない仕事です。旬の食材やさまざまな調理方法で子どもたちに美味しい給食を提供したいですね。

 ③コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーションは、どんな職場でも必要です。保育園栄養士は、一緒に働く職場の調理員さん、保育士さん、看護師さんだけではなく、保護者さんとのやり取りも多くあります。大切なお子さんをお預かりする以上は、しっかりとした信頼関係が築けるようなやり取りをしていかなくてはなりません。

まとめ

 食を取り巻く環境は、日々変化しています。新しい情報にアンテナを張り、食への興味関心を深めていくことも、保育園栄養士として大切なことです。食育基本法にも定められているように、「食」は、生きるうえでの基本であり、子どもたちへの食育は心身の成長や、人格の形成に大きく影響します。生涯にわたって健全な心と身体を培い、豊かな人間性を育む重要な時期だからこそ、保育園栄養士は、やりがいのある仕事なのだと感じます。今回は、保育園で働く栄養士の仕事内容について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?ぜひ、参考にしてみてくださいね。

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