逆質問の答え方 就活面接対策

保育士面接の逆質問で「質問はありますか?」と聞かれた時の答え方 

保育士の面接では、「質問はありますか?」という逆質問を促されることがあります。逆質問は、志望者が自由に質問することができる場面です。だからといって、何でも質問してよいのかというと、そうではありません。逆質問には、タブーとされる質問がいくつもあり、下手な質問は面接官にマイナス印象を与えかねません。

まずは、逆質問の意図を知ったうえで、質問内容を考えていきましょう。

面接官が逆質問をする意図は?

なぜ、面接官は逆質問をするのでしょうか。それには、次のような理由が考えられます。

志望者のやる気を見極めようとしている

逆質問は、「面接官の質問と志望者の返答」という型にはまった面接形式から逸脱しています。その分、志望者のオリジナリティが現れやすいのです。面接官は逆質問から、志望者が園のどのような点に興味を持っているのか、やる気はあるのかを知ることができます。逆質問は、志望者にとって積極性をアピールするチャンスなのです。

志望者のコミュニケーション能力を見ている

逆質問によって、志望者のコミュニケーション能力を測ろうとしている場合もあります。逆質問に答えるためには、自分の考えをまとめて自分の言葉で表すことが求められます。保育士は、子どもはもちろん、保護者ともやり取りする対人職です。コミュニケーション能力が高い保育士は、同僚として心強い存在です。面接官としても、ぜひ欲しくなる人材と言えるでしょう。

純粋に志望者の疑問を解決しようとしている

逆質問の機会は、単に志望者の疑問点を解決したいという思いから設けられることもあります。保育士は、短期間での離職率が高い職業です。園側としても、志望者の就職前の不安を解消し、納得した上で入職してほしいという思いがあるのでしょう。志望者の側でも、入職前に園との相性を知ることは大変重要です。

保育士面接で逆質問をする際に気をつけるポイント

逆質問は自由な質問の場ですが、タブーとされる解答もあります。

園の悪い情報についての質問はしない

インターネット上にあらゆる情報が氾濫している時代、「あの園は保育士同士の仲が悪い」というような、志望園の悪い噂を目にしてしまうことがあるかもしれません。しかし、それらの噂は、何の根拠もない無責任な悪口かもしれないのです。園にとってネガティブな情報を耳にし、不安に思ったとしても、面接の場でそのような噂について質問をするのは避けた方がいいでしょう。

調べてわかることは質問はしない

面接志望者が、事前に保育園のホームページやパンフレットに目を通しておくというのは、当然の準備と考えられています。調べてわかるような内容を聞けば、あなたの熱意が疑われかねません。逆質問では、事前に調べた内容をもとに、より詳細な質問ができるように心がけるといいでしょう。

労働条件についてストレートに確認しない

自由に質問できるとなると、求人票では分からない労働条件について聞きたくなるものです。とはいえ、労働条件についてストレートに聞いてしまうのは、保育という職業への熱意を疑われてしまう可能性があります。「残業は多いですか」、「有給休暇は取りやすいですか」など、待遇面だけで園を選んでいるのでは?ととられてしまうような質問の仕方はしない方が無難です。

どうしても労働条件について確認したいときは、後述の「逆質問例④労働条件について聞きたいとき」を参考にしてください。

「特にありません」と答えない

逆質問に対し、「特にありません」と答えるのは、面接官にネガティブな印象を与えてしまう危険性があります。「この園に関心がないのかな」、「やる気がないのかな」と思われてしまうかもしれません。

しかし、無理に質問を考えて、もっとNGな質問をしてしまっては本末転倒です。逆質問は、面接内で聞かれることを想定し、事前準備をしておくことをお勧めします。どうしても質問が出てこない時は、後述の「用意していた質問が使えない時の回答例」を参考にしてください。

保育士面接での逆質問の例をご紹介

では、逆質問の例について具体的な内容をご紹介しましょう。これら例を参考に、自分オリジナルの質問を考えてみてください。

逆質問例①保育方針を知りたいとき

一般的に、保育方針については園のホームページやパンフレットに記載があるものです。保育方針も知らずに園の面接を受けるとすれば、印象は悪くなってしまいます。そこで保育方針について質問するときは、事前に調べた内容をもとにより具体的な事柄について質問するといいでしょう。

質問例:「貴園の保育方針からは、食育に対する熱意が伝わってまいりました。子どもたちの食への関心を高める工夫として、どのようなことを実践されているのでしょうか。」

「貴園は保育方針として、地域に根ざした保育を掲げていらっしゃいます。地域行事への参加など、具体的な活動内容を教えていただけたらと思います。」

逆質問例②やる気をアピールしたいとき

逆質問は、あなたのやる気を面接官にアピールするチャンスでもあります。仕事に必要な内容を勉強したり、準備したりする意欲があることを伝えられるといいですね。

質問例:「貴園は、異年齢保育に力を入れていると伺っています。異年齢保育に携わるにあたって、事前に勉強しておくべきことがあれば、教えていただけますか。」

「貴園の『褒めて伸ばす保育』という目標に非常に共感しております。子どもたちのいいところを見つけるため、現場の先生方はどのようなことを大切にしていらっしゃいますか。」

逆質問例③特技や経験をアピールしたいとき

逆質問では、自分の長所をさりげなくアピールすることもできます。特技や経験を質問の内容におりまぜながら、保育に活かせるかどうかを確認してみましょう。

質問例:「高校時代は、情報処理科に所属しており、パソコンやタブレットの扱いを得意としています。貴園でもICT機器を導入していると伺っておりますが、この特技がお役に立つことはあるでしょうか。」

「短大では、絵本読み聞かせのボランティア活動に積極的に取り組んできました。その経験を保育現場に活かしていきたいと思っています。貴園では、どのような時に絵本の読み聞かせを行っていますか。」

逆質問例④労働条件について聞きたいとき

労働条件についての直接的な質問は、逆質問では避けるべきといわれています。とはいえ、労働条件に不安を抱いたままの入職は望ましくないのも確かです。そこで労働条件について質問するときは、ストレートな物言いにならないよう工夫してみましょう。

①育児休暇や時短勤務について聞きたいとき

「出産後も貴園で働き続けたいと考えています。小さなお子さんを育てながら働かれている先生もいらっしゃるのでしょうか?」

②昇給の仕組みについて知りたいとき

「貴園で役職に就くための条件等あれば、教えていただきたいです。」

③早番遅番ができない場合があるとき

(介護、育児などの家庭の事情)で、日によっては早番遅番が難しいことがあります。シフトをある程度考慮していただくことは可能でしょうか?」

用意していた質問が使えないときの回答例

用意していた質問について面接中に話題が出てしまい、先に説明されてしまったということもありえます。

既に説明済みの内容をもう一度質問してしまっては「話を聞いていない人」になってしまいますし、「質問は特にありません」と答えるわけにもいかない。そんな時は、質問したかった内容が既に解決済みであることと、感謝の意を伝えるようにしましょう。

なお、この回答例は逆質問をいくつか行った後、「もう質問はありませんか?」と聞かれた時にも使えます。

「面接前は(保育方針、行事、園の取り組みなど)について質問したいと思っていたのですが、先ほど詳しく説明していただきよく分かりました。ありがとうございます。」

「充分にご説明をいただきましたので、疑問点はありません。ご丁寧な説明を受け、入職への意欲がより高まりました。」

逆質問を想定して質問を考えておきましょう

面接の質問に答えることばかりを考えていると、逆質問に慌ててしまうかもしれません。逆質問は「必ずされるもの」と想定しておき、事前に質問の内容を考えておくといいでしょう。なお、面接の流れによっては、準備した逆質問が使えなくなってしまうかもしれません。そんなときのために、複数の逆質問を用意しておくことをお勧めします。

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