「出来るだけ同じ園で長く働きたいなぁ……」、「求人の内容と実際の勤務内容は一緒なのかな?」そのような時には、園見学がおすすめです。園見学は、就職希望をする前に保育園の普段の様子を知ることができるいい機会になります。
園見学を申し込むとき、あるいは見学後のお礼をするときに、メールを使うことがあるかもしれません。そのようなとき、どのように書けばいいのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、園見学の申し込みやお礼のメールに関して、例文を交えながら紹介します。
園見学を申し込む時は、電話とメールどっちがいいの?
園見学を申し込む場合は、基本的に電話で申し込む方がいいです。これには、二つの理由があります。一つ目は、日付や時間帯を直接相談できるだけではなく、持ち物や当日の訪問方法など、細かいところまで確認できることです。
たとえば、子ども達の午睡の時間に差し掛かる時間帯に訪問するのであれば、インターホンを鳴らさない方がいい場合もあるでしょう。また、服装は基本的にスーツが好ましいですが、園によっては何か別の指定があるかもしれません。このように、それぞれの園によって異なる点が多々あります。何度もやり取りをせずに一度に確認ができるため、電話の方がいいでしょう。
二つ目は、園側にいい印象を持ってもらうことができます。園側は、「就職する可能性がある人」という目線で少なからずやり取りをしています。文章だけのメールよりも、声色や話し方などが感じ取れる電話のほうが、自分がどのような人であるのかが伝わりやすく、印象をよく見せることができます。
以上の点から、電話での申し込みのほうが好ましいでしょう。ただ、園によってはホームページの専用フォームから園見学の申し込みを受け付けている場合があります。そのような場合のために、今回はメールでの書き方やポイントを紹介していきます。
園見学を申し込むメールを送る際の4つのポイント
メールは、電話や面と向かっての会話と違い、文章でのやりとりです。そのため、メールならではの気を付けるべきポイントがあります。以下の4つのポイントを押さえ、受け取った相手に良い印象を与えられるように努めましょう。
ポイント①言葉遣いは丁寧に
一般的に、文章の書き方は「だ・である調」と「です・ます調」がありますが、「だ・である調」は論文などを書く際に用いる堅い文体です。メールは、コミュニケーションをとる場面であるため、間違っても「だ・である調」では書かないようにしましょう。
先ほどもお話ししたように、本来は電話での申し込みのほうがいいです。そのため、メールでは「です・ます調」で、実際に話しているかのように丁寧すぎるくらいの言葉遣いを意識しましょう。
また、同じくらいに誤字脱字の確認も大切です。誤字脱字があるだけで、相手には乱雑な印象を与えてしまいかねません。文章を書き終わった後と、送る直前など、何回か確認するといいでしょう。
ポイント②基本的な書き方を守ろう
文章の書き方は、一般的なビジネスメールの書き方を用いられることが多いです。ビジネスメールは、相手に敬意を表しながら、簡潔に要件を伝えることができる書き方です。
この先、就職活動の際にも、もしかしたらメールを使うかもしれません。基本的な書き方を知っておくことで常識あるやり取りをすることができますよ。
具体的な書き方については、こちらを参照ください。
【例文あり】保育施設へ職場体験を申し込むときのメールの書き方とは
ポイント③聞いておきたいことを箇条書きにして書こう
園見学をさせてもらえることになった場合に、聞きたいことを箇条書きにしてまとめておきましょう。ひと目で何が知りたいのか、先方にも分かりやすくなります。具体的には、以下のような内容を聞いておくといいです。
- 当日の持ち物
- 当日の服装
- 当日の訪問方法(インターホンは鳴らさない、裏口から入るなど)
ただ、これらはホームページに書いてある場合もあるので、要注意です。確認不足であると思われることがないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
ポイント④メールを送る時間帯に気をつけよう
メールのいいところは、24時間自由に送ることができることです。しかし、相手は友達や家族といった親しい間柄ではないため、明らかに常識を外れた深夜や早朝の時間帯に送ることは避けましょう。
保育園の開園時間は、だいたい平日8:00〜18:00前後です。その時間内に送ると、先方も返事をしやすいでしょう。もし、どうしても遅くなる場合は閉園2時間後の20:00までには送るようにします。
園見学を申し込むメールの基本的な例文
ポイントを押さえたところで、実際の例文を見ていきましょう。自分が受け取る相手の立場になって例文を見ておくことで、「分かりやすい丁寧なメール」とは何なのかが理解できることでしょう。
申し込む最初のメールの場合
件名 保育園見学の申し込みについて(◯◯大学 田中あかり)
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社会福祉法人 〇〇保育園
〇〇部 〇〇様
お世話になります。〇〇大学・〇〇学部・〇〇学科の田中あかりと申します。
貴園のホームページを拝見させていただきました。園の特色や、子どもと先生方の笑顔溢れる雰囲気に胸を打たれぜひ、保育園園見学を通してより貴園について知りたいと思いメールいたしました。
保育園見学をさせていただけるのであれば、詳しい日程調整をさせていただきたく存じます。
多忙の折恐縮ではございますが、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
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田中あかり
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
電話番号:080−××××−××××
メール:akari@××××.ac.jp
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- 園見学をしたいと思った動機を簡単に記入しておくといいでしょう。
- 適宜、読みやすいように改行を入れましょう。
持ち物等確認する場合
件名 Re:保育園見学の申し込みについて(◯◯大学 田中あかり)
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〇〇様
返信いただきありがとうございます。また、保育園見学につきましてもお引き受けいただき感謝いたします。
ご提示いただいた日程で問題ございません。◯月◯日の◯時に伺わせていただきます。
何点か質問があります。
当日の持ち物は何かありますでしょうか当日の服装について指定はありますでしょうか訪問方法について(インターホンを鳴らさない、正面玄関を使わないなど)指定はございますでしょうか
お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
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田中あかり
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
電話番号:080−××××−××××
メール:akari@××××.ac.jp
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- 園見学を引き受けてもらったことに対する感謝を述べましょう。
- 質問に対して、手を煩わせてしまうという気持ちを込めて「お手数をおかけしますが」と一言添えましょう。
園見学後のお礼メールを書く時のポイント
基礎的な部分については、申し込む際のポイントを参考にしましょう。その上で、お礼の際に気をつけるべきポイントを2つ挙げました。以下のことができるだけで、気遣いのできる印象を相手に持ってもらうことができますよ。
帰宅後出来るだけ早く送る
お礼のメールは、なるべく間を置かずにその日の早いうちに送るようにしましょう。やる気と丁寧な印象を持たれるだけではなく、担当してくれた方も記憶しやすいからです。
とはいえ、焦って送ったらと誤字だらけだった、という状況は避けたいです。そのために、あらかじめ定型文を用意しておくといいでしょう。定型文に、その日学んだことや心に残った事などを書き加えましょう。
返信はいらない旨を書き添える
お礼のメールは、質問など相手が返さなくてはいけない内容は避け、シンプルな内容にしましょう。どうしても質問をしたい場合は、お礼のメールには書かずに後日電話で確認します。また、最後の方に「返事は無用です」と一言添えます。この気を遣えるかどうかで、相手に対する印象も変わってくるでしょう。
ただ、無用と書いても相手が返事をくれる場合があります。その場合は放置せず「お返事ありがとうございます」と返事を返してくれたお礼にメールを返信しましょう。
園見学後のお礼メールの例文
では、園見学後のお礼の文章は、どのように書くことが好ましいのでしょうか。こちらも、基本的には申し込みのときの文章と同じ型を意識するようにしましょう。そうすることで、まとまりがあり、読みやすい文章となります。
件名 保育園見学のお礼(◯◯大学 田中あかり)
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社会福祉法人 〇〇
担当 〇〇様
本日はお忙しい中、保育園見学をさせていただきありがとうございました。
〇〇様の「子どもはみんなの力で育てる」という言葉が印象深く、先生方がチームワークを大切に保育をしている様子に感動しました。見学を終え、貴園で働きたいという気持ちがますます強くなりました。
とり急ぎお礼を申し上げたく、メールいたしました。尚、返事は無用です。ありがとうございました。
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田中あかり
〇〇大学〇〇学部〇〇学科
電話番号:080−××××−××××
メール:akari@××××.ac.jp
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メールの書き方を押さえて就職活動につなげよう
メールのマナーは、読みやすくするという相手への思いやりの気持ちと、印象よく申し込みにつなげる2つの意味合いがあります。形はある程度決まっているため簡単ですが、ちょっとした間違いから印象を悪くしてしまいかねません。十分に気をつけましょう。
また、メールだけではなく、保育施設は、保護者に対するお願いの手紙のように実際に働き始めてからも文章マナーが必要になる場面は多くあります。メール文章とは違った点もありますが、覚えておくと参考になるでしょう。
今回の話しを参考に、礼儀正しく、すっきりとしたメール文章が書けるようになるといいですね。