就活面接対策

【新卒保育士向け】面接やエントリーシートで聞かれる「学生時代に力を注いだこと(ガクチカ)」のポイント 

就職活動でよく聞かれる質問のひとつに、「学生時代に力を注いだこと(ガクチカ)」があります。具体的な経験を書かなければならないため、「良い題材が見つからない」と、悩んでしまう人もいるかもしれません。

しかし、ガクチカの重要な点は、結果よりも過程(プロセス)と言われています。平凡な経験でも、書き方次第では自己アピールに繋げることができます。

この記事では、「ガクチカ」の書き方について具体的に解説します。就活に悩んでいる保育学生の皆さんは、参考にしてみてくださいね。

「学生時代に力を注いだこと(ガクチカ)」とは?

「学生時代に力を注いだこと」、略して「ガクチカ」は、就職活動中に聞かれやすい質問のひとつです。この質問は、エントリーシートや履歴書によく書かれるほか、面接中にも聞かれる可能性があります。採用担当者の印象に残る「ガクチカ」を書くことができれば、うまく自己アピールに繋げられるでしょう。

「ガクチカ」を書くときのポイント

「ガクチカ」は、学生時代に力を注いだことを素直に答えればよいのです。とはいえ、同じエピソードでも、書き方ひとつで読み手の印象がガラッと変わってしまうことがあります。では、ガクチカの書き方のポイントについて、見ていきましょう。

ガクチカの基本構成

ガクチカの基本的な構成は、以下の形がよいとされています。

①学生時代に力を注いだことへの簡潔な回答(例:「私が学生時代に力を注いだことは、〇〇です。」)

②活動の動機(どうしてそれに力を注ごうと考えたのか)

③具体的な活動の過程と結果

④この経験を保育士の仕事にどうつなげていくのか

第三者に伝わる具体性とオリジナリティ

ガクチカを読む採用担当者は、あなたのことを知りません。具体性のないガクチカでは、どのような点に力を注いだのかイメージしづらいものです。たとえば、「アルバイトで接客を工夫し、店長に褒められました」と言っても、何を工夫し、どのように褒められたのか分かりません。自分を知らない人に自分を知ってもらうためには、誰が読んでも具体的な場面が思い浮かぶように書くことが重要です。また、その経験から学んだことを、これからどのように仕事に活かしていきたいのかを書くことも忘れないようにしましょう。

ガクチカ題材の選び方

まずは、ガクチカの題材となる経験は、どのように選んだらよいのかを考えましょう。

平凡に見える経験でも書き方次第で魅力的に

ガクチカと言われても、「平凡な学生生活を送っただけ」、「入賞履歴も留学経験もない」など、悩んでしまう人もいるかもしれませんね。しかし、華やかな経験や成功体験だけがガクチカの題材になるわけではありません。

ガクチカで重要なのは、挑戦する姿勢や課題を解決する「過程」です。エピソードを通してあなたの人間性が表れるような書き方をすれば、一見平凡な経験でも立派な武器になるはずです。

自分の顔が見えるエピソードを探す

一般的に採用担当者は、あなたを含めたくさんの応募書類を読んでいます。よくある履歴書の例文をそのまま書いていると、その他大勢の就活生に埋もれてしまう可能性があります。例文の改変ではなく、自分らしさが見えるようなエピソードを探して書くようにしてください。

失敗や困難のあるエピソードは書きやすい

ガクチカでは、失敗や困難のある経験が書きやすいと言われています。たとえば、主人公が一度も挫折せずに結末を迎えるような小説は面白くないですよね。読者は、主人公が壁を乗り越える姿をみて、「この人は頑張っているなぁ」と感じたり、感動したりするのではないでしょうか。

ガクチカでも、同じことが言えます。失敗や困難をどう克服したのかが見えるエピソードは、頑張る姿や学びの過程をアピールしやすいのです。

「ガクチカ」の例文

ここでは、学生生活でよくある4つの場面について、仮のシュチュエーションをもとに例文を作成しています。前述した書き方のポイントを意識しながら、読んでみてください。

学業編

 私が学生時代に力を注いだことは、学業です。保育士を目指すには、保育をする子どもについてしっかりと知識を身に着けておくことが大切だと考えたからです。

しかし、入学当初の私には、「子どもの心理学」や「保育所保育指針」で学ぶ子どもの発達の内容がなかなか理解できませんでした。教科書で語られる専門用語は難しく、私には抽象的に見えていました。そのため、具体的な子どもの姿と専門用語を結びつけることができなかったのです。

そこで私は、子どもの発達を遊びと結びつけられないかと考えました。保育雑誌や育児書などで紹介されている年齢別の遊びについて調べ、その遊びがどうしてその年齢にふさわしいのか発達状況と照らし合わせてノートに書き出しました。たとえば、1歳児クラスでは「おままごと遊び」や「つもりあそび」ができると紹介されています。これは、ピアジェの発達理論にて象徴機能が現れる時期と一致します。このように考えることで、難しく感じていた発達理論を理解することができるようになりました。

 こうして作った「遊びと発達」のノートは、学校でのテスト勉強はもちろん、園実習を行う上でも大変参考になりました。

 入職後は、学生時代に身に着けた「遊びと発達」に関する知識を生かし、子どもの年齢にあった遊びの実践と研究に尽力していきたいと思います。

ボランティア活動編

 私が学生時代に力を注いだことは、絵本読み聞かせのボランティア活動です。子どもたちに絵本を読み聞かせる活動は、保育士を目指すうえでいい経験になると思い、ボランティア活動を始めました。

 私が参加していたボランティアでは、毎週土曜日の午前中に2人1組で読み聞かせを行います。ボランティアに参加している人は、私以外は十数年続けているベテランの方ばかりでした。最初は他の方のように、上手に読み聞かせをすることができませんでした。そのせいか、読んでいる最中に子どもがつまらなそうにしている顔が目に入ってきてしまい、次第にボランティアに行くことも辛くなりました。

 しかし、ここであきらめてしまっては「保育士になる」という目標にも自信がなくなってしまうと考えました。そこで私は、ベテランボランティアの方に、私の読み方の悪いところを聞いてみることにしました。

 すると、本の選び方を変えてみてはどうかと指摘をされました。読み聞かせにくる子は年齢層がバラバラで、日によって言葉が離せない子が来ることもあれば、小学生が来ることもあります。その日にどんな子が来るのかは前もってわからないので、あらかじめ低年齢層向け、幼児向け、小学生向けの本を別々に選んでおくといいとアドバイスを受けました。

それからは、ボランティアに行く際、年齢層別の本を複数用意するようにしました。すると、私の読み聞かせを喜んで聞いてくれる子がだんだんと増えていきました。

 私はこの経験から、失敗しても諦めないこと、そして、アドバイスをもらうことの大切さを学びました。入職後に失敗や困難があった時も、周りの先生のアドバイスを参考にしながら、保育士の仕事を頑張っていきたいと思います。

アルバイト編

 私が学生時代に力を注いだことは、コーヒーショップのアルバイトです。さまざまな人が訪れるコーヒーショップでアルバイトをすれば、コミュニケーション能力が向上するのではないかと考えたことがきっかけでした。

最初は、複雑な接客マニュアルを覚えるのが難しかったのですが、1か月ほどで接客のセリフにも慣れていきました。しかし、1年ほどすると機械的な接客の流れに飽きてしまい、アルバイトをやめようかと迷うようになりました。

ある日、70代くらいのお客様が来店されました。その時、横文字のメニューを読みづらそうにしていることに気がつきました。そこで私は、「こちらのメニューはアイスコーヒーで、少し苦みがあります」というように、具体的に解説してみました。そのお客様はとても喜んでくださり、その後何度もショップに通ってくれるようになりました。

 私は、接客において大事なことは、お客様によって内容を替えていくことであると感じました。それからは、お客様にあわせてセリフのスピードを替えたり、メニューの説明を入れたりするようにしました。

 私はこの経験から、相手に合わせたコミュニケーションの大切さを学びました。保育士になってからも、子どもや保護者一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取れるように心がけていきたいと思います。

課外活動編

 私が学生時代に力を注いだことは、女子サッカー部の活動です。私は、高校まで文化部に所属していたため、体力に不安がありました。保育士を目指すにあたって、基礎体力を向上させたいと考えたことが入部のきっかけでした。

女子サッカー部は、部員は少ないながらも熱心に活動している部活で、私は3年目に部長に就任することになりました。しかしその春、入部希望者が1人もいないという事態に陥りました。女子大である私の大学では、合唱部や吹奏楽部のほうに人が集中しているようでした。

 そこで、私は「女子サッカー部に入りたくない理由」についてアンケートをとってみてはどうかと考えました。アンケートを配ると、「サッカー経験がない」、「忙しそう」、「運動が苦手」という声が集まりました。

 この結果を踏まえ、私はサッカー初心者向けの体験会を開催することにしました。さらに、部活の時間や活動日の頻度を少なくして、誰でも参加しやすい運動部であることを部員みんなでアピールしました。また、私自身の経験を踏まえ、文化部出身者でも楽しく体を動かせるということも紹介していきました。

その結果、年度途中から入部希望者が集まりだし、最後には1年で7人の新入部員を獲得することができました。

 私はこの経験から、他人の意見を聞き、活動内容を工夫することの大切さを学びました。入職後はこの経験を活かし、ほかの先生方、保護者の方、そして子どもたちの意見を取り入れながら、柔軟な保育ができるように頑張ります。

「ガクチカ」ではエピソードに基づいた自己PRを

「ガクチカ」は、自分の経験をもとにした自己PRができる項目です。具体的なエピソードをもとに、自分の人柄や主体性などをしっかり表すようにするとよいでしょう。エピソード自体は、派手なものでなくても構いません。自分が学生時代に力を注いだことを素直に、また、効果的に書けるように頑張ってくださいね。

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