就活を始めるにあたり、自分にはどんな保育園が合っているのか、どんな求人の選び方をすればいいのかと悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。都市部で通勤範囲内に複数の保育形態の園がある場合は、特に迷ってしまうでしょう。今回は自分に合う保育園の選び方について、さまざまな視点から紹介していきます。
そもそも自分に合った保育園とは?
自分に合う、というのはどういうことなのでしょうか?
自分の価値観や性格に合っているという選び方もできますし、立地や給料面で自分の希望と合っているという選び方もできますね。
性格、得意分野、保育観などの内面から考える
就活の際、自己分析をする機会が少なからず出てくるはずです。長所や短所を書き出したり、自分の得意分野について考えたり、そういった自己分析から「ピアノが得意だからリトミックやリズムなどを取り入れている園で働きたい」などのイメージが持てるでしょう。
また、授業や実習を通して、保育に対する自分の考えが出てくる方もいることと思います。「自由遊びを大切にしている保育」「一人ひとりの個性を大切にする保育」など、理想とする保育のイメージがあれば、そういった保育理念から考える選び方もあります。
働く際の希望条件から考える
給与面や休日など、面接で質問してはいけないと言われがちですが、こういった条件が合っているかどうかはとても大切です。実際、転職理由に給与の不十分さを挙げている保育士は多いのです。年間休日数や福利厚生、残業の有無など、求人情報でわかる部分はしっかり確認しておきましょう。
また、全ての条件が希望に合うとは限りませんので、あらかじめ「ここは譲れない」「ここはある程度許容できる」などの優先順位を決めておくといいですね。求人情報で見えてこない部分が知りたい場合は、園見学に行って確認することをおすすめします。
保育園に関する情報収集して選ぶ
自分の希望がはっきりしている場合は、それに合った保育園の情報収集をしていきます。
自己分析がなかなか進まない場合も、いろいろな保育園の情報を得ることで見えてくるものがあるでしょう。ここでは情報収集から比較検討していく選び方について、事例をまじえて紹介します。
どんな保育園の種類があるか知る
まずは保育園の種類についての情報収集をしてみてください。
学校で学んでいることと思いますが、改めてどんな所で働きたいかという目線で見ることも大切です。例えば以下のような希望から、おおまかな園の種類を決めることができます。
◆0歳から6歳まで、全年齢と触れ合い経験を積みたい!
→認定こども園、認可保育園など
◆0歳から2歳の小さい子どもの保育がしたい!
→小規模保育園、企業主導型保育園など
◆幼児教育に携わりたい!
→幼稚園、認定こども園、インターナショナルスクールなど
◆保育以外の知識もつけたい!
→病児保育、養護施設など
希望条件や自己分析と照らし合わせ、候補をしぼる
希望条件がはっきりしてきたら、それをもとに候補をしぼっていきます。「自宅から通える範囲」「給料が〇〇万円以上」などの検索条件で見るほか、保育園のホームページなども大切な情報源ですので、良さそうと感じた園については雰囲気を知るためにも必ずチェックしておきましょう。
例えば、以下のような条件の希望がある場合、求人情報やホームページのどこに注目すればよいでしょう?
◆一人暮らしをしたいので安定した給与をもらいたい
【雇用形態】
正社員を選ぶようにする。
【給与】
基本給なのか、保育士処遇改善などの手当てを含めた総支給なのかを確認し、生活できる手取りがあるか注目する。
【福利厚生】
家賃手当や交通費手当があるのか、休暇は何日あるのか注目する。また、特徴的な福利厚生(遊園地の割引など)を行っている保育園もありますので確認してみましょう。
◆実家から通うため、家から近いところで働きたい
【勤務地】
複数の保育園を運営している法人の場合、本社と勤務地が別の場合があります。どの保育園での求人なのか注目する
◆ピアノが得意なので、音楽や楽器を多く取り入れている園で働きたい
【園の特色・年間行事予定】
特色を取り入れた行事をしていることが多いので、年間行事予定が公開されていればそちらにも注目する。
【ブログ】
保育園のブログにも特色のある保育の様子が公開されているケースが多いです。最近では、InstagramやYouTubeなどで保育園の様子を公開しているところもありますので、調べてみるもの良いでしょう。
収集した情報を比較し検討する
こうして集めた情報をもとに、本当に自分に合っているか、ほかの園と比べてどうかなど検討していきます。あらかじめ決めておいた優先順位をもとにした選び方をするといいですね。
例えば以下のようなケースで考えてみましょう。
◆勤務地を優先したい場合
→自宅からの距離や通勤手段を踏まえて絞りこみますが、そのほかの条件が全く合わないという場合は少し範囲を広げたり、優先順位の低い条件は除外してみましょう。
◆保育内容を優先したい場合
→ホームページなどの情報収集だけでなく、給与や休日などの条件を見ていきます。保育内容は合っていても、あまりに条件が悪いと長く働くことが難しい場合もあるからです。
いくつかの候補にしぼることができたら、園見学に行ってから決める選び方をおすすめします。実際に現場を見ることで得られる情報は、就職するにあたり大変重要です。
園見学や職場体験に行ってみよう!
情報収集を経て、自分に合っていそうだと感じた園があれば、積極的に園見学や職場体験に行きましょう。就職する前に園に行くことで、そこで働く職員の雰囲気や施設の状態など、求人では見えてこない情報を得ることができます。さらにそこで自分を印象づけることができれば、就職に向けてのアピールにもなると言えます。
園見学や職場体験への申し込みの流れ
基本的には電話での申し込みになりますが、中にはホームページから申請できる園もありますので事前に調べておきましょう。申し込みの際には、日程や持ち物、服装など確認事項が多いのでメモを取りながら話すようにします。
園見学の場合は1日、職場体験の場合は1日から数日通うことになりますので、学生の場合は必ず学校に相談してから申し込んでくださいね。
詳細は園見学の申し込みや当日の流れを参考にしてください。
園見学や職場体験で注目すべきポイント
自分に合っているか、働きやすい環境か、などをしっかりと見ておきましょう。求人情報やホームページで得られる情報は事前に把握しておくことで、それ以外のポイントにしぼって見ることができます。
何を見たらいいかわからないという方は、以下の点に注目してみてください。
◆園内の清掃状況、衛生面
ほこりや汚れが目立つようであれば、清掃まで手が行き届かないくらい業務量が多いのでは、という目安になります。
◆玩具の充実性、安全性
絵本やおもちゃの数は十分であるか、壊れたおもちゃをそのままにしていないかという部分に注目します。
◆子ども達はのびのび遊んでいるか
大人の顔色を伺うような遊び方をしている場合、保育士が厳しすぎる、遊びの制限が多いなどの背景が伺えます。
◆職員の雰囲気はよいか
職員同士の会話の雰囲気はよいか、という人間関係や、常に慌ただしくしているなどの業務の忙しさなど注目します。
各項目について詳しくは「就活における園見学をする際のポイント」でも紹介しています。
このほか、「ここで働きたい」「自分に合っていそう」と感じるポイントがあれば他園との比較のためにもメモしておくといいでしょう。
総合的に判断して自分に合った保育園を選ぼう!
「自分に合う」と一口に言っても、さまざまな方向から考えることで、候補をより厳選することができます。今回紹介した保育園の選び方はほんの一例ですので、取捨選択してきた求人情報などの条件と、園見学や職場体験で得た現場の雰囲気、そして自分の優先順位を照らし合わせ、総合的に自分に合う保育園を見つけましょう。