注目の園紹介

子どもたちが心から安らげる「日常」と好奇心を刺激する「非日常」、それを支える熱意あふれる保育者が集まるPicoナーサリ

ー国の配置基準の2倍の先生がいらっしゃるという風の森ならではの「余裕」があるように感じます。

野上さん:保育というのは、生活の中、遊びのなかから成長し、また成長を促していくこと。保育士が見守るなか、靴を自分で履くという些細な「できた」の積み重ねが子どもの自信にもつながると思っているので、Picoナーサリでは国の基準より多く保育士を配置しています。
日本の保育士の配置基準は、1歳児であれば子ども6人に対して保育士は1人となっています。6人中5人の子がさっと履けちゃうとなったら、残り1人の子が履けるまでのあいだ、5人の子を待たせないといけませんよね。そこを1人の先生だけで余裕をもって対応するのは、どれだけ熱量のある先生でも難しい面があると思います。
「靴を履くのに時間がかかるけど、自分でやりたいという意欲のある子」がいた場合に、流れのばらつきをフォローし、一人ひとりの成長に合わせて見てあげられる環境は、人員に余裕があると作りやすいですよね。「靴を履く」という日常の場面で、人員の余裕が活きているのはうれしいですね。

伊藤園長:子どもたちのその日の様子や変化に気づける、フォローができるというのは、保育者にとって本来の業務ができているということだと思います。スタッフからは、心に余裕があると、子どもだけじゃなくてその先の保護者の方たちにも必要なフォローができるという声があります。

持ち帰りの仕事や残業もなく、事務仕事が勤務時間内に終えられる。それでいて休憩時間もしっかりとれ、研修も充実している。その一つひとつが、保育の質につながっていると思います。

野上さん:さきほどのお茶室は、茶道の時間以外は先生方の休憩室としても使っているんですが、大きなビーズクッションを畳において休んでいることもありますよね。そうして心と体を休める時間があるからこそ、子どもといるときは本当に子どものための保育ができる。

伊藤園長:看護師からも、本来の看護業務がしっかりできると聞いていますよ。毎日、120名の園児一人ひとりの健康チェックや、怪我の大きさのチェックなどもちゃんとできていますし、保護者の方に対して細やかにご家庭での様子をうかがったり、サポートできるというのは、看護師としてはすごく充実していると。

ー本来の看護業務……? 看護師さんが、それ以外の業務をされることもあるのですか?

野上さん:看護師さんは、みなし保育士として保育士1人分としてカウントできるので、保育士が足りない施設では、保育に入っていることも多いんです。
子どもは、自分たちが長い時間を一緒に過ごす先生が活き活きしているか、子どもと向き合っているかを察します。「この人は僕のことをしっかり考えてくれている、寄り添ってくれている」と感じられることで、子どもは安心して日々の生活が送れるので、先生たちの心身の状態、仕事への向き合い方が、子どもの育ちの環境として、すごく大切です。

先生たちは、子ども一人ひとりに寄り添いたいという気持ちをもって保育士になっているので、子どもの気持ちを受け取れなかった、想いに寄り添えなかったということの積み重ねは、先生たちの自己肯定感をも下げてしまうんですよ。ですので、私の仕事は、先生たち自身が本当にやりたい業務…看護師だったら子どもの健康と向き合うこと、保育士だったら日常的に日々の生活のなかで子どもをちょっと待ってあげられたり、寄り添ってあげられるような環境を整えることだと思います。

それによって先生たちが達成感を日々感じ、保育者としてのやりがいを深められ、また子どもたちによりよい影響を与えられるように。

逆に言うと、保育手法にはあんまりこだわりはないんです。先生がよりよい状態で働けるということを大切に、日常の保育は活動しています。

Picoナーサリでは、国の配置基準の2倍以上の保育士を配置しています。(日本の保育士配置基準は下記を参照)

【日本の保育士の配置基準】
●0歳児:子ども3人に保育士1人
●1~2歳児:子ども6人に保育士1人
●3歳児:子ども20人に保育士1人
●4歳児以上:子ども30人に保育士1人

この配置基準は、昭和23年に発令された「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」で定められたものであり、以来見直しが行われていない状態です。この基準は、子どもの安全がなんとか守られるギリギリであり、余裕をもって保育ができる環境とは言えません。
保育士の待遇を改善したことで、保育士不足が叫ばれるなか、Picoナーサリには「ここで働きたい」という保育士からの応募が殺到しています。だからこそ真摯に子どもに向き合える環境で保育がしたいという、保育に対して熱意のある先生を選べるようになる……。
保育者を大切にすることで、子どもを大切にできる環境がつくられていくのです。

子ども一人ひとりに先生の目が行き届いていることがわかる食事時間の様子

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