【3~5歳児】保育実習日誌の「ねらい」には何を書く? 実習日誌

【3~5歳児】保育実習日誌の「ねらい」の書き方

保育士になるための大切な学びの期間である保育実習。なかでも保育実習日誌を書くことは、1日の振り返りや出来事の整理、そして次に何を学ぶべきかを考えるきっかけになるため、ダイレクトに学びにつながります。

この記事では保育実習日誌に書くことの多い「ねらい」について、年齢別(3~5歳児)の書き方のポイントや例文を紹介していきます。

実習が大変で日誌を書く時間が足りないという方も、年齢ごとの特徴やポイントをおさえることで、次第にスムーズに書けるようになります。

まずは、混合しがちな「ねらい」と「目標」について理解しましょう。

保育の「ねらい」と「目標」の違いとは?

「ねらい」と「目標」の大きな違いは、子どもの視点なのか、実習生の視点なのか、という視点の違いです。

保育実習日誌における「ねらい」には、子どもに育くんでほしいと考える能力を書きます。たとえば季節の違いを感じてほしいと考えたのであれば「落ち葉や木の実に触れて季節を感じ、楽しく遊ぶ」とねらいを決めて、それを遂行できるような活動を設定します。

一方、保育実習における目標とは、実習生にとっての目標です。ここには、あなたが保育実習を通して、学びたいことを書きます。「1歳児クラスの保育の流れを覚える」、「子どもの興味や関心を知る」などが目標です。

まとめると、以下のようになります。

「ねらい」・・・子どもの視点(主語が子ども) 例:(子どもが)集団遊びのルールを知り、楽しむ

「目標」・・・実習生の視点(主語がわたし)  例:(わたしが)一日の保育の流れを覚える

日誌には、目標とねらいを両方書くものと、片方だけ書くものがあるので、2つの違いを理解して書き進めましょう。

3歳児のねらいとポイント

3歳児は、身のまわりのことなどをなんでも自分でやりたがるようになり、自我がはっきりしてきます。また、気の合う友だちとのごっこ遊びが盛んになり、やりとりや模倣遊びなどを楽しむようになります。

自分の思ったことを言葉にできるようになるため、会話をとおしてコミュニケーションを深められる時期です。「なぜ」や「どうして」などの質問が増え、知的好奇心や物事への関心が高まる時期でもあります。

子どもの言うことに対して共感を意識し、余裕を持った態度で接してあげましょう。

3歳児の特徴

  • ・基礎的な生活習慣が自立する
  • ・集団生活のなかで、人と関わることが楽しくなる
  • ・新しい言葉や直接体験から、知識を積極的に吸収していく

食事、排泄、衣服の着脱など、身の回りのことが自分でできるようになります。認めてもらうことで自信がつき喜ぶので、「自分でやった」という満足感がえられるようなねらいを考えてみましょう。

また、自我が芽生え、集団生活のなかで人とかかわることが楽しくなる時期です。身近な大人から周囲の人へと関心が広がり、気の合う友達と遊ぶことが盛んになります。

友達の思いが分かるようになりますが、まだ上手く表現できないこともあるので、一人ひとりに寄り添って優しく受け止めてあげましょう。

さらに、言葉によるやり取りを楽しむ中で「わたし」のような一人称や、「あなた」などの二人称を使えるようになります。

好奇心が強くなってくる時期なので、興味を持ったものを通して、新しい知識を増やせるようなねらいを取り入れられるといいですね。

3歳児のねらい例文

子どもたちの「自分でやりたい!」という気持ちを大切にするようなねらいを考えてみるといいでしょう。

  • ・園生活の流れが分かることで安心して生活できるようにする
  • ・保育者と一緒に身の回りのことをしようとする
  • ・自分なりの表現で話す楽しさを味わう
  • ・生活や遊びの中で、ルールがあることを知り守ろうとする
  • ・園生活に必要なことを自分でやってみようとする
  • ・友達や保育者に伝える楽しさを味わう
  • ・友達や保育者と一緒に、自分の好きな遊びを楽しむ
  • ・友達と一緒に楽しく遊びながら、相手の思いに気づく

こんな時どうする?

「わたしが(実習生の)隣に座るの!」と子どもが喧嘩を始めてしまった

→子どもとの約束は慎重に

給食の前など、複数の子どもが「一緒に座ろう」と言ってくれることも多いでしょう。「一緒に」は同じテーブルかと思いきや、「隣のこの場所」と考えていた子どももいたため「ここでなきゃイヤ!」「約束した!」と、子ども同士のけんかに発展することも……。そうなってしまったときは、それぞれの子どもの思いを汲み取り、実習生自身の認識不足を子どもたちに謝りましょう。

子どもと約束するときは、すぐ返事をするのではなく、子どもの思いの一歩先を知ろうとする質問をし、必要以上のトラブルを起こさない意識が必要です。

4歳児のねらいとポイント

4歳児は、思いきり走る、ボールを蹴る、回転するなど、身体の動きが巧みになり、運動量も増えます。友だちと言葉を使って気持ちを伝えあって、一緒に遊びを進めるようになります。

自分を認めてほしいという気持ちが強い時期なので、応援したり、褒めてあげたりするとよいでしょう。

それと同時に、「無理していないかな?」など小さな変化にも気を配り、注意深く観察することで、子どもが発しているサインを見逃さないようにすることも大切です。

4歳児の特徴

  • ・何でも1人でしようとする
  • ・「なんで?」「どうして?」と知的好奇心が強まる
  • ・友だちと一緒に行動するといった、人間関係が広がる

身の回りのことほとんどできるようになり、生活の流れに見通しが持てます。

身近な自然や生き物に興味や疑問をもち、「どうして?」と理由をたずねたり、試したりすることが増えるのもこの時期です。

探索活動に夢中になり、活動範囲はさらに広がるので、子どもの興味を伸ばすねらいを考えてみるといいでしょう。

また、友だちと一緒に行動したり、誘い合って遊ぶことに楽しみを見い出します。

一緒に喜んだり、怒ったり、話したりなど、さまざまなかかわりを持つような、集団生活ならではのねらいを取り入れてみましょう。

友だちとのつながりが強まる一方で、喧嘩も多くなります。少しずつ自分の気持ちを我慢できるようになっていきますが、個人差が大きく出てくるところなので、仲裁のタイミングを見計らうといった見守りが必要です。

4歳児のねらい例文

子どもの想像力を尊重し「やってみよう!」という意欲をサポートしてあげましょう。

  • ・身の回りのことを進んで自分でしようとする
  • ・身近な動物や植物に興味を持ち、触れて遊ぶことを楽しむ
  • ・自然に触れ興味や関心を持つ
  • ・思ったことや考えたことを言葉で伝えて楽しむ
  • ・歌を歌ったりリズムに合わせたりして、音楽に親しむ
  • ・ルールを守って遊ぶ楽しさを学ぶ
  • ・友達や地域の人などと関わりながら、さまざまな遊びを楽しむ
  • ・異年齢児に関心を持ち、関わって遊ぶことを楽しむ
  • ・友達と共通のイメージを持って遊びを楽しむ

4歳児 こんな時どうする?

ごっこあそびをしている友だちが仲間に入れてくれない、と訴えてきた。

→お互いの思いを引き出せるように

あそびの最中に「〇〇ちゃんが仲間にいれてくれない…」などど実習生に訴えてくることも多いでしょう。4歳ごろになると仲のよい友だちと一緒に遊ぶ姿がよく見られるようになり、子どもたちなりのイメージがつくられているごっこ遊びなどでは、そこにあらたに友達が加わるのが難しい場合もあります。このようなときは、実習生は基本的に見守るようにし、「どちらが正しい」や「間違っている」などの判断をするのではなく、なぜそのような行動を取っているのか、子どもの思いを引き出し、お互いの思いを橋渡しすることをを大切にしましょう。

5歳児のねらいとポイント

年長さんである5歳児は、心の発達がさらに進みます。

友だちとのかかわりのなかから、自分の思いや競争心が発達し、頑張る、あきらめない、譲るなどの複雑な気持ちの変化を経験しながら成長します。

想像力豊かに遊ぶなかで、子どもが自分で考えようとしているときには、やさしく見守ることを大切にしましょう。

5歳児の特徴

  • ・仲間意識が芽生え、友だちのよさに気づく
  • ・いいこと・わるいことを自分で考え、判断できるようになる
  • ・道筋を立てて話せるようになり、文章も書けるようになってくる

基本的な運動や生活習慣が身につき、見通しをもって自ら健康で安全な生活をするようになります。

また、物事を仲間と一緒に進めていくことができ、友だち同士の仲間意識も目覚めます。

遊びや生活のなかでルールを守ろうとするので、集団のなかでも子どもが安心して自己を発揮できるようなかかわり方を大切にしましょう。

言語能力や記憶力もさらに発達し、自分の意思を文章にして相手に伝えることができます。

お友だちと言葉遊びやなぞなぞ、しりとりなども楽しめるようになっていきますよ。

語彙が増えるので、自分の思いを伝える喜びを感じられるねらいを持つといいですね。

5歳児のねらい例文

子どもの自主性や自立生を、どのようにサポートできるかという視点で考えてみましょう。

  • ・気の合う友達や先生と、興味のある遊びに進んで取り組む
  • ・身近な素材に触れ、工夫して遊ぶ
  • ・友達と考えを出し合い、力を合わせて遊びを進めようとする
  • ・遊びの中で考えたことを、工夫して表現する
  • ・友達と協力しながら、自分たちで生活を進める楽しさを味わう
  • ・身近な動植物に関心をもち、愛情をもって世話をする
  • ・戸外で体を十分に動かし、友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わう

こんな時どうする?

実習生に「おまえ」「バカ」など好ましくない言葉を使ってくる。

→過剰に反応しない

新しい言葉をたくさん覚え、その言葉をとにかく使いたくなっている時期です。おとなが過剰に反応すると、面白がってさらに使うこともあります。好ましくない言葉であれば、無関心な態度をとることによって収まっていくこともありますが、相手を傷つけるような乱暴な言葉を使ったときは「その言葉を使ってどんな気持ちになったか」「自分が言われたらどう思うか」など、なぜその言葉を使ってはいけないのか、子ども自身が考えることができる働きかけが大切です。

3~5歳児ねらいのまとめ

慣れない保育実習日誌を毎日書くことは、とても大変ですよね。

年齢ごとの特徴を押さえることで、書くべきことが定まり、スムーズに書けるようになります。

日々ねらいを決めて保育実習にのぞむことで、どこに着目して1日を過ごせばよいか明確になります。自分の学びのためにもなりますので諦めずに取り組んでくださいね。

タイトルとURLをコピーしました