手遊びには、リズム感を養う目的の他に、想像力の向上・手先の運動・これからの活動に入る前の気持ちの切り替えとして役立ちます。そして季節を取り入れた手遊びをすることで、「季節を感じる」「寒い・暑いといった感覚をみんなと共有する」という経験ができます。
今回は新学期にぴったりな春に楽しめる手遊びを5つご紹介します。
普段の保育や実習の際に役立ててみてくださいね。
「夏に楽しめる手遊びBEST5」「冬に楽しめる手遊びBEST5」「秋に楽しめる手遊びBEST5」もご参考ください。
【キャベツの中から】
ねらい
・指先を動かし、発達を促す
・繰り返しのリズムを楽しむ
手遊びのポイント
保育者が笑顔で楽しそうに歌うことが秘訣です。最後の連続した「にょき」は、指を一本ずつしっかり立てていくことを意識しましょう。そうすることで、指先の発達を促すことができますよ。
何度かやってみて手ごたえがある場合は、「始めはゆっくり、後半は早く行う」など緩急をつけるとより盛り上げることができます。
声掛け
特に薬指を立てるのは難解です。身体の構造上、まっすぐ立てるのは不可能なのですが、小さな子どもは「できない!」と怒り出してしまう子がいるかもしれません。一緒に行う中で、「おねえさんあおむし、むずかしいね~!先生もこのくらいしかにょきにょきしてくれないよ~」と、難しい気持ちに共感した声掛けができると良いでしょう。
最後はちょうちょをひらひら~と飛ばしてお膝に持って行くと、お話を聞く姿勢が自然に整います。
歌詞
キャベツのなかから あおむしでたよ
にょきにょき おとうさんあおむし
キャベツのなかから あおむしでたよ
にょきにょき おかあさんあおむし
キャベツのなかから あおむしでたよ
にょきにょき おにいさんあおむし
キャベツのなかから あおむしでたよ
にょきにょき おねえさんあおむし
キャベツのなかから あおむしでたよ
にょきにょき あかちゃんあおむし
キャベツのなかから あおむしでたよ
にょきにょきにょきにょきにょき
にょきにょきにょきにょきにょき
ちょうちょになりました
参考動画
【つくしんぼ】
ねらい
・音の響きを楽しむ
・季節感を味わう
手遊びのポイント
「ポッ」「パッ」「ポコッ」「ニョロッ」は音の響きが楽しい部分です。大げさに演じて子ども達が楽しめるように行うと良いでしょう。
「♪ちょうちょがとんで はるですね」の部分は、春らしい穏やかな感じをイメージしましょう。ゆっくり行うことで緩急の違いがはっきりします。最後は優しく歌いあげ、穏やかな気持ちのまま次の活動やお話しに移れると良いですね。
声掛け
春を感じさせるキーワードがたくさん出てきますね。2歳さんや年少クラスの子は、つくしやモグラを見たことがないかもしれません。イラストで紹介するとイメージしやすいでしょう。
「みんなでおでかけに行ってみよう!」「ちょうちょがとんでるね。そこに出てきたのは…つくしんぼ!」とストーリーを作って、みんなでお散歩気分になるような声かけをしてみましょう。終わったら、「みんなもつくしんぼを探してみてね」と余韻を残しながら終えるとよいです。
歌詞
ポッとでた ポッとでた つくしんぼ
ポッとでた ポッとでた つくしんぼ
ちょうちょが とんで はるですね
パッとさいた パッとさいた たんぽぽさん
パッとさいた パッとさいた たんぽぽさん
ちょうちょが とんで はるですね
ポコッとでた ポコッとでた もぐらさん
ポコッとでた ポコッとでた もぐらさん
ちょうちょが とんで はるですね
ニョロッとでた ニョロッとでた へびさん
ニョロッとでた ニョロッとでた へびさん
ちょうちょが とんで はるですね
参考動画
【はるですね、はるですよ】
ねらい
・からだを使って手遊びを楽しむ
・保育者と同じ動作を真似できる
手遊びのポイント
ぞうさんはお鼻が長いので、「ながーい」を強調して歌いましょう。その際に腕を使って「ながーいお鼻」を作ります。
わにさんは大きな口であくびをしたので、「あーん」を強調して歌いましょう。「♪ぽかぽかようき」は気持ちよさそうに行うと、春の温かみを感じることができますよ。
声掛け
「春ってあったかいよね。こんなにあったかいと…眠くなっちゃうね」など、季節の話題を絡めてお話します。
「長いお鼻のぞうさんの所に、ちょうちょが飛んできたよ!おいかけっこしてる時に…ありゃりゃ!お鼻がむすばったよ。みんなもできる?」と一緒に動作の練習をしてみましょう。「くるりんぱだよ」「ぎゅっとしてみよう」など分かりやすい言葉を使うといいですね。
歌詞
ながいおはなの ぞうさんが
ちょうちょと おいかけっこ してました
ちょうちょは ぐるぐる はなのうえ
ぞうのおはなが むすばった
はるですね はるですよ
おおきなおくちの わにさんが
ぽかぽか ようきに さそわれて
あーんと あくびを していたら
おくちがとじなく なっちゃった
はるですね はるですよ
参考動画
【ピクニック】
ねらい
・歌の中から数字にふれて親しみを持つ
・食べる時に使うものをイメージできるようにする
手遊びのポイント
食べる時のイメージを持ち、どんな道具を使うのかをしっかり想像して歌いましょう!
最後の「いえい!」の部分は「ヤー!」「レッツゴー」など分かりやすい掛け声にアレンジしても良いですね。とにかく元気に・明るく行いましょう。
声掛け
「今日はいい天気だね。こういう日はピクニックに行きたいね~」と言って始めると、ピクニックをイメージした世界観を作る事ができます。「先生はね、これが食べたいなあ」と手を使って食べる動作をすると、「あ!やきそばだ」「カレーライス~!」と子どもたちが反応し、始める前の振りの確認も一緒に楽しめますね。
「たこやきを食べる時って何で食べるかな?」「3でできるものなーんだ?」とクイズ形式にして振り返るのも良いでしょう。子どもの発達に応じてチャレンジしてみて下さい!
歌詞
いちと ごで たこやきたべて
にと ごで やきそばたべて
さんと ごで スパゲッティをたべて
よんと ごで カレーライスたべて
ごと ごで おにぎりつくって
ピクニック いえい!
参考動画
【ちいさなにわ】
ねらい
・大きさの概念が持てるようになる
・からだを使った動作を取り入れ、動く楽しみを味わう
手遊びのポイント
「ちいさな庭」「中くらいの庭」「大きな庭」によって動作をどんどん大きくしていきましょう。慣れてきたら声の調子を高くしたり、大きな庭では低く重みのある声で行うなど、応用すると何度も楽しめる手遊びとなります。
場所や時間帯によって立って行う・身体全体を使うなど場面によって使い分けることも可能です。その際は、距離をしっかり取って安全に行えるよう配慮しましょう!
声掛け
立って行う際は「今からみんなで畑を作るから、お友達と手がぶつからないように広がろう」と具体的にどのくらい広がるかを伝えましょう。座って行う場合も同様に声かけし、怪我のないように注意します。
お散歩や活動の中でお花が咲いていたエピソードがあれば、それを話題にして「みんなもお花、咲かせてみようか」と生活に結びつけた声かけをすると良いでしょう。
歌詞
ちいさな にわを よくたがやして
ちいさな たねを まきました
ぐんぐんのびて はるになって
ちいさな はなが さきました
ぱあっ!
ちゅうくらいの にわを よくたがやして
ちゅうくらいの たねを まきました
ぐんぐんのびて はるになって
ちゅうくらいの はなが さきました
ぱあっ!
おおきな にわを よくたがやして
おおきな たねを まきました
ぐんぐんのびて はるになって
おおきな はなが さきました
ぱあっ!
参考動画
手遊びでこころを豊かに育てよう
子どもと楽しむことができる春の手遊びを5つご紹介しました。
どの手遊びも簡単で、小さな子どもでもすぐに覚えて実践できます。
慣れてきたら、応用編でオリジナルの歌詞にして遊ぶのもよいかもしれません。子どもの発達に合わせて取り入れてみて下さいね。