ただでさえ不安の多い保育実習ですが、女性はさらに生理についての心配ごとを抱えています。
「実習中に生理になったらどうしよう?」、「生理痛がひどい時は先生に伝えてもよい?」、「生理中でもプールは入らなくてはいけないの?」とお悩みではないでしょうか。
保育実習中に生理になり、なにか迷ったり困ったりしたときは、まず保育士に相談してみましょう。勝手に判断してしまうと、かえって保育園側に迷惑がかかる可能性があります。
とはいえ、「保育実習とは関係のないことだから」と抱え込んだり、生理の症状にも個人差があったりすることから、相談できずにいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、保育実習中における生理の疑問についてまとめました。
実際に現場で働く保育士さんにインタビューをもとに記事を作成していますので、ぜひ参考にしてみてください。
生理痛がひどいときには休んでもいいの?
朝起きたら、ひどい生理痛が……こんなときは保育実習を休んでもいいのでしょうか?
実習に行けないとわかった時点で、電話で園長や担当の保育士に症状を伝え、指示を仰ぎましょう。もし休んだ日が責任実習日だった場合は、別の日に変更してもらえるので安心してくださいね。保育士の資格のために単位を取る必要がありますので、責任実習をしないということはありません。どうしても保育実習期間に責任実習ができなかった場合は、園と学校で相談をして別の日に責任実習の機会を儲けるということもできるようです。
生理痛が毎回重い状態であれば、オリエンテーションの段階であらかじめ伝えておくといいでしょう。いつもどんな状態なのか、やむをえず休む場合はどのような対応をしてもらえるのかを確認しておきます。保育園側としても、直前に知らされるよりも対処しやすくなります。
生理がきたことを保育士に伝えた方がいいの?
症状が軽かったり、保育業務に支障がなかったりする場合は、無理に伝える必要はありません。生理痛がひどい場合や、プールに入らなくてはいけないなど、実習に支障がある場合は伝えておいたほうがいいでしょう。
生理痛が重いときはどうする?
生理痛が重くてつらい場合は、まず担当の保育士や園長に相談してみましょう。
その日の予定が運動遊びなどの激しい活動だった場合、動きの少ない室内の保育に変更してもらえたり、観察実習であればクラスを変更してもらえたりするかもしれません。
生理痛の重さは人それぞれです。なかには、動けなくなるほど強い痛みや症状が出る人もいます。保育園側に伝えるときには症状の重さやどの程度動けるのかなど、簡潔にわかりやすく伝えるとよいでしょう。
意を決して相談しても、保育園側がどうしても生理痛のつらさをわかってくれないというケースもなくはありません。そういうときは学校に相談してみるのもひとつの手です。学校側から園に掛け合ってくれることで解決できるかもしれません。
生理痛が重くてつらいときは、まずは相談してみるということを忘れないでくださいね。
生理痛の対処法
保育実習を休むほどでもないけどしんどい……というときには、以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。日頃から生理痛のことで婦人科などの病院に通っている方は、医師の判断に従うようにしてくださいね。
ツボ押し
いつでもどこでもできるツボ押しは、簡単に体の不調を整えられるのでオススメです。
- 気海・・・おへそから指2本下のところにあるツボ。
- 関元・・・おへそから指4本下のところにあるツボ。
3〜5分程度、指で優しく押してください。
下腹部を温める
身体を温めると血行がよくなり、痛みが和らぐ人も多いようです。
腹巻をしたりオーバーパンツを履いたりして、下腹部を温めます。冬であれば、服の上からカイロを貼るのも効果的ですよ。
コルセットを巻く
コルセットを巻くと腰痛が軽減されます。特に、子どもを抱っこする場面の多い保育現場では重宝します。ただし長時間装着したままにしておくと、かえって血流が悪くなってしまうので、休憩時間は外すようにしましょう。
生理中のプールはどうする?
保育実習中の生理で一番どうしたらよいか悩むのが、プール遊びではないでしょうか。クラス別での対応を見てみましょう。
乳児クラスの場合
乳児クラスのプール遊びは、ビニールプールやたらいを利用したり、浅いプールを利用したりするので、腰までつかることはほとんどありません。そのため、水着に着替えることはまずないといえます。普通に参加しても大丈夫でしょう。しかし、あまりにも生理痛がひどかったり、体調が優れなかったりするときは無理をせず、保育士に相談してくださいね。
浅いプールとはいえ、水を触り続けていると、想像以上に体力を消耗します。プール遊びの後は一枚上着をはおって、身体を冷やさないように気をつけましょう。
幼児クラスの場合
園にもよりますが、幼児クラスでは、保育士が水着に着替えてプールに入ることもあります。その場合は事前に生理中だということを伝えて、保育士からの指示を仰ぎましょう。勝手な判断は保育の妨げになることもありますので、避けてください。
実習生だから……と遠慮せずに、相談することが大切です。保育士には女性も多くいるので、そのぶん同じ経験をしている方も多いはずです。
子どもと一緒にプールに入れなくても、学べることはたくさんあります。保育士の動きや子どもの様子など、全体の様子を俯瞰して見ることができるので、いつもとは違った目線で観察することができるでしょう。
プールに入れない子どもと過ごすことをお願いされるかもしれませんし、プール中にトイレへ行きたくなった子どもの補助をするなど、できることもたくさんあります。
水着に着替える必要がある園で生理になってしまった場合は、まず保育士に相談をしましょう。
生理中の検便はどうする?
実習生でも検便をしなくてはならない保育園もありますが、生理中でも検便はできるので安心してください。
保育実習でおこなわれる検便の目的は、集団食中毒をおこさないことです。必要なのは細菌の検査ですので、血液が入ってしまっても問題ありません。
たとえば、大阪市の場合は、以下のように必要な検査が定められています。
“ 実習開始前2週間以内に採取した検体
【必須項目】:赤痢菌、サルモネラ菌、病原性大腸菌O-157”
(参照:大阪市|保育実習)
子どもの命にもかかわることなので、検便の指示があったら必ず検査しましょう。検査で陽性が出た場合、実習はできません。必要な検査項目は、学校や実習園に確認してください。
生理で困ったときは、園長先生や担当保育士に相談しよう!
保育現場では、職員同士の報告・連絡・相談が欠かせません。保育の仕事は、決して1人ではできないからです。勝手な判断で動いてしまうと、子どもたちにも園にも迷惑がかかってしまいます。
実習生の立場だと、「先生たちは忙しいし、生理のことを相談してもいいのかな……」と遠慮しがちになってしまいますよね。しかし、心配はいりません。先生たちは、全員保育実習生を経験してきたのですから、同じように生理で悩んだ人もいるはずです。
同僚に相談をするのも、保育士の仕事として大切なことです。困ったことは一人で抱え込まず、まずは先輩に相談をして保育実習を有意義なものにしてくださいね。