「将来は保育士になりたい!」と将来の夢に保育士を選んでいる高校生はたくさんいるかと思いますが、実際の保育園の様子や、保育士の仕事を詳しく知る高校生は少ないのではないでしょうか。なんとなく自分が昔通っていた保育園のイメージや、ドラマで見る保育士の様子を思い描いている人も少なくないと思いますが、偏った知識や思い込みでは、進学してから「こんな仕事だと思わなかった」と後悔することになりかねません。職場見学や職場体験を通して現場を知り、より具体的に保育士としての将来像を見据えることが大事です。
そこで今回は、高校生のうちに保育園の様子を知ることのできる、職場体験について紹介します。
職場体験とは
そもそも職場体験とは、学生が一定の期間限定で実際の職場へ行き、その仕事を体験する制度のことです。小中学校では職場体験、高校や大学ではインターンシップと呼ばれています。
授業の一環として、一般企業や市役所など自分で選んで行く職場体験を取り入れている学校も多く、高校生にとっては貴重な体験をできる制度です。そのほか、企業独自に夏休みなどを利用して参加できる職場体験を実施していたり、ボランティアとして職場体験を受け入れていたりと様々なケースがあります。
高校生のうちに職場体験をする必要はあるの?
職場体験が大事とはいえ保育士の専門学校に行けば保育実習もあるし、そこで現場を見ることができるんじゃないの?と疑問に感じる方もいることでしょう。
しかし高校生だからこそ、職場体験をする価値があります。高校生のうちにリアルな職場を体験して少しでも仕事の楽しさや大変さ、魅力を知っていれば、将来の進学先や進路選びに役立ち、将来への漠然とした不安も減るかもしれません。進路に迷っている人だけでなく、「保育士になろう」と決めている人にももちろん職場体験はおすすめです。
保育科に進んでからの保育実習は、事前の準備や保育日誌などやることが多く、忙しいものです。振り返るとあっという間で、じっくり子どもと関われずに終わってしまうこともあります。高校生の職場体験は、保育科の実習ほど厳しくなく、ゆっくりと子どもと遊ぶことをメインとして経験できます。受け入れる園側も、高校生に多くを求めているわけではないので、気楽にのぞむことができるでしょう。
保育園の職場体験内容
では実際に保育園での職場体験とはどんなものなのでしょう?一日の流れに沿って、具体的に紹介していきます。あくまで一例ですので、受け入れる園によっては違う場合があるということを忘れないでくださいね。
職場体験の期間
1日〜3日程度のところが多いようです。
職場体験の一日の流れ
0歳児の子どもは発達状況によって大きく流れが異なります。
今回は幼児の大まかな流れを紹介します。
【9:00 自由遊び】
担当クラスの子を中心にホールや園庭で子どもと遊ぶ。
【10:00 製作などのクラス活動】
保育士の補助として材料を配布したり、困っている子に声かけしたりする。
【11:30 給食】
テーブル拭きや配膳を手伝う。持ってきた弁当を一緒に食べる。
【12:30 午睡】
寝かしつけをしたり、保育士の作り物を手伝ったりする。
【14:30 起床】
おやつの準備や布団の片付けの手伝い。
【15:00 自由遊び】
子どもと保育室や園庭で遊ぶ。
【16:00 順次降園】
遊びに参加したり、掃除の手伝いをする場合も。
【17:00 帰宅】
今日の感想を指定の用紙に記入する。
職場体験では感想や日誌を書く場合も
通っている学校や受け入れる園によっては、その日の感想や日誌を書く場合があります。普段かしこまった文章を書く機会はなかなかないと思いますが、社会人である先輩保育士と関わるせっかくの機会ですので、「ですます」調で丁寧な言葉遣いを心がけてくださいね。また、学校で実施している職場体験の場合は最後にレポートを提出することが多いようです。
職場体験へ行くには?
職場体験に参加したいと思っても、何をどうすればいいのかわからないかと思います。いくつか方法を紹介しますので、学校の先生や保護者の方と相談して決めてくださいね。
学校の職場体験制度
一般的で身近な方法は、通っている学校で実施している職場体験に参加する事です。自治体で教育事業の一環として職場体験を取り入れているところが多く、公立高校の80%以上が実施しています。時期や受け入れ先は自治体や学校によって違うので、気になる場合は担任の先生に確認してみましょう。受け入れ先に保育園がない場合でも、新規に受け入れ先を見つけてもらえるケースもありますので、あきらめず相談してみてください。
職場体験を実施している保育園を探してみる
インターネットが利用できる環境であれば、独自に高校生向けの職場体験やボランティアを受け入れている園がありますので、探してみることをおすすめします。自治体単位で職場体験の場を設けているところもありますよ。
学校で職場体験を実施しておらず、身近な地域でもう職場体験ができる園が見当たらない場合は、一度学校の先生に相談してみてください。将来の夢があることをしっかり伝え、職場体験に行きたいことを伝えれば、地域の保育園に連絡をとってくれるかもしれません。
また、もし身近に保育士の方がいれば、直接相談するのもひとつの手です。大規模な保育園は毎年多くの学生を受け入れているので難しいかもしれませんが、時期をずらしたり、短い日数にすることで受け入れてもらえる可能性があります。
職場体験を通して、保育士の仕事を知ろう!!
今回は、保育士を目指す高校生にとっての職場体験について紹介しました。すでに進路が決まっている場合でも、決まっていない場合でも、保育園の職場体験を経験する価値や魅力が伝わりましたでしょうか。保育士を将来の選択肢として少しでも考えているのであれば、ぜひ職場体験に参加して保育士という仕事の魅力を感じてみてくださいね。