【はじめての実習】保育実習の事前準備と心構え 事前準備

【はじめての保育実習】保育実習に向けての事前準備と心構え

保育実習が近づいてくると期待がふくらむ一方で、不安な気持ちになったり、緊張したりするという方が多いのではないでしょうか。

実りある保育実習にするためには事前準備がとても大切です。実習開始に向けて計画的に準備をすすめましょう。

今回は、保育実習に必要な事前準備と心構えについて詳しくお伝えします。これから実習を迎える学生のみなさん、ぜひこの記事を参考にして、心に残る充実した保育実習にしてくださいね。

実習を行う保育園の種別

保育園_園庭

自分が実習する保育園の種別は分かりますか?管轄省庁や各施設の特徴を知ることで、そこに通う子どもの背景を知ることにつながります。
また、施設によって保育士の働き方も異なります。施設の違いをよく理解して、保育実習にのぞみましょう。

認可保育園

認可保育園は、国の定めた基準を満たし各都道府県知事に認可された、厚生労働省管轄の児童福祉施設になります。
この施設に通うのは、主に保護者が仕事や心身の都合で日中保育することが難しい乳幼児期の子どもです。
保育者は「保育士」の資格を持ち、「保育所保育指針」に基づいて保育をおこなっています。

幼稚園

幼稚園は「就学児前教育」として、学校教育法に基づいて設置されており、文部科学省が管轄する学校になります。
満3歳からの子どもが対象となっており、保育園と比べて保育時間は短く、保育方針も幼稚園によってさまざまです。
保育者は「幼稚園教諭」の資格を持ち、「幼稚園教育要領」に基づいて保育をおこなっています。

認定こども園

認定こども園は幼稚園と保育園の両方の観点を持ち合わせた内閣府管轄の施設になります。
3歳未満の子どもは保育が必要と認定された場合に、3歳以上の子どもであれば保護者の仕事の有無に関係なく預けることが可能です。
認定こども園は4つのタイプがあり、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型に分類されます。
とくに幼保連携型認定こども園では、保育者は「保育教諭」とよばれ、「保育士」「幼稚園教諭」両方の資格を持ち「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」基づいて保育をおこなっています。

保育園の保育理念・保育方針・保育目標とは

保育実習を行ううえで、実習園の保育理念、保育方針、保育目標は必ず知っておかなくてはなりません。
まずは保育理念を知り、そこから保育方針や保育目標を確認することによって、園の方向性が見えてくるでしょう。

認定こども園では「基本理念」とされていたり、園によっては「めざすこどもの姿」とされていたりと、別の言葉が用いられている場合がありますが、伝えていることは基本的に変わりません。

保育理念

保育理念はその園が目指す理想の姿です。保育理念を知ると、その園がなにを大切にしていて、何を目指しているのかが分かります。社会貢献についても書かれていることが多いでしょう。

例:愛情に満ちた環境の中で、個と集団を大切にし、生きる力を育みます

保育方針

保育理念に基づき、実際にどのように保育を進めていくか示したものが保育方針です。
保育理念では抽象的な言葉が使われていることが多いため、保育方針で保育の方向性を確認できると言えるでしょう。

例:子どもの思いを受け止めながら自ら伸びる力を大切にし、健全な心身の発達を目指します

保育目標

保育方針に則って、具体的にどうやって保育で行うかをあらわしたものが保育目標になります。
「どういった子どもになってほしいか」という目線で書かれていることが多く、保育をするなかで1番意識することになるのが保育目標と言えるでしょう。

例:友達と元気に遊べる子を育む

代表的な保育の種類

保育士_絵本

保育の種類は、代表的なもので以下の3つがあげられます。

園によって環境設定や保育士のかかわり方もさまざまですので、事前準備やオリエンテーションの段階でどのような保育内容なのかを聞いておくと安心です。

設定保育/一斉保育

活動のねらいや目標を明確に持ち、クラス全員で一斉に活動する保育のことを示します。
保育士が中心となって保育を進めるため、計画を事前に立てやすいのが特徴です。
保育実習で行う部分実習や責任実習はこの設定保育の場合が多いです。

自由保育

子ども自身が興味のある遊びを自由に選択できる保育のことを示します。
保育士は子どもをただ遊ばせるのではなく、遊びの展開などを想定し環境設定を行うことが大切になります。

異年齢保育/縦割り保育/混合保育

年齢を超えて一緒に生活することで社会性を育むことをねらいとし、1~2歳、3~5歳など異年齢の子どもでクラスを構成したり、活動を設定することを指します。
年齢によって発達の差があるため、それぞれの状態に合わせた声かけや配慮が必要です。

特徴ある教育(保育)方法

特徴ある教育方法を持つ園もたくさんあり、それが園の特色にもなっています。
ホームページなどで紹介されていることが多いので、保育実習の事前準備として、実習園の教育方法を確認しておくといいでしょう。

ここではそのなかのいくつかを紹介します。それぞれの教育内容や特徴を詳しく知っておくことは、保育実習に限らず保育士を目指すうえで役にたちますよ。

モンテッソーリ教育

20世紀初めにマリア・モンテッソーリによって考えられた教育法です。
アメリカでは多くの園がこのモンテッソーリ教育を取り入れており、最近では日本でもその魅力から広まりをみせています。
モンテッソーリ教育の主な特徴としては、子どもが自分自身を育てる力、「自己教育力」を持っているということを前提に、オリジナルの教具を使った保育を行うことです。
保育士もモンテッソーリ教育について学び、教具の扱いなどを理解する必要があります。 

ヨコミネ式教育

将来、自立を目指して頑張る力をつけることを特徴としているのがヨコミネ式教育法です。
スポーツ選手を多く輩出し、運動に適した環境を整えています。また、そのほかにも一人ひとりが主役になれるような保育を行うことで子どもが自らやる気を出すことを大切に考えています。

宗教保育

キリスト教や仏教の理念や方針に基づいて保育を行っています。
保育の一環として礼拝や座禅などを行うことがあるのが特徴のひとつです。

保育実習で必要な持ち物を確認しよう

実習先の園によって必要な持ち物は異なるため、オリエンテーションなどで事前に確認しておきましょう。

ここでは保育実習に必要とされる一般的な持ち物と注意点をご紹介します。

外靴

外遊びで走ったりすることが多いため、履きなれた動きやすいスニーカーなどを準備しましょう。
また、実習園によっては出退勤時もスニーカーと指定がある場合もあります。派手過ぎない靴を準備しておくことをおすすめします。

上靴

園によって保育室は上履き着用の場合があります。清潔感のある物を準備しましょう。
なお、靴下や裸足で活動している場合もありますので事前に確認するようにしてください。

エプロン

上からかぶれるタイプのエプロンを準備するようにしましょう。
背面をヒモで結ぶタイプの場合、子どもが引っ張ったり、引っかかって怪我をする恐れがあるためです。
横をボタンで止めるタイプのエプロンが一般的ですが、糸がほつれるとボタンが取れてしまい、誤飲する恐れがあるため日々確認を欠かさないでくださいね。
また、エプロンを使用しない園やキャラクター付きエプロンを禁止している園も多くありますので、オリエンテーションで事前に確認しましょう。

リュック

保育実習中に遠足や散歩などの戸外活動がある場合、必要になるケースがあります。
両手がふさがらずに行動できる便利なリュックは保育士の必需品ともいえるので、ひとつ用意しておくといいでしょう。

 腕時計

腕時計は必要なアイテムと思いがちですが、乳児のクラスでは子どもに当たって怪我をさせてしまう場合も考えられます。
腕時計を付けてよいかどうかは事前に確認しておきましょう。

名札

名札は事前に用意するように言われる場合が多いようです。
子どもが分かりやすいよう、ひらがなで作成することをおすすめします。また、エプロンと同様にキャラクターを禁止している場合がありますのでこちらも確認しましょう。

ハンカチ、ティッシュ

保育園では手洗いやうがいを1日に何度も行います。衛生的にも自分のハンカチを使うようにしましょう。
園によっては、ペーパータオル等を使用しており布ハンカチが不要の場合がありますが、身だしなみの基本として、ハンカチ、ティッシュは必ず用意しましょう。

文房具

ペンやメモ帳は自分で使いやすいものを用意しましょう。実習中にメモをとってよい場合はエプロンのポケットに入るサイズのメモ帳がいいでしょう。
メモ帳にカレンダーを貼り付けてスケジュール管理もできるようするなど、自分なりの使いやすい工夫をしておくのもおすすめです。

印鑑

出勤簿や書類等の提出時に使用します。使いやすくあまり高価ではないものを用意しましょう。
また、インクが内蔵されているシャチハタの印鑑が使えない場合があります。朱肉を使う印鑑も用意しておきましょう。

保育技術の練習をしよう

保育士_ピアノ

保育実習はあらかじめ日程が決まっていることがほとんどです。計画的に自分の練習スケジュールを立て、実習に備えることが大切です。

自己紹介

子どもにも伝わりやすい言葉を使って笑顔で自己紹介をすることを心がけましょう。
自己紹介は保育実習の初日に行うことがほとんどですが、どのクラスで自己紹介するのかは確認しなければわかりません。
年齢に合わせて、手遊びや小道具などを用いて自己紹介の仕方を変える工夫も必要です。
自己紹介を行う際のポイントは『保育実習ですぐできる!!自己紹介の3つのポイント』で紹介していますのでご参考ください。
また、自己紹介の手作りグッズについても『子どもに大人気!!保育実習で使える自己紹介グッズの作り方』で紹介しています。作り方なども詳しく載っていますのでぜひご活用ください。

季節の歌をはじめ、子どもの前で歌える曲を用意しておきましょう。
自分は歌が下手だと思い消極的な歌い方をするより、多少音がずれても保育士が楽しそうに歌うことが大切です。
歌詞をしっかり覚えて自信を持って歌える曲を準備しておきます。

手遊び

子どもは手遊びが大好きです。手遊びをすることで、子どもとの距離をぐっと近づけることができます。
また、保育のちょっとした隙間時間に保育者から「やってみる?」といわれる場合があるのでいくつか覚えておきましょう。

 ピアノ

オリエンテーションで事前に課題曲を渡される場合があります。保育実習がはじまる前に練習をして弾けるようにしておきましょう。
しかし、ピアノが苦手と感じている方も少なくないと思います。その場合は、ピアノが得意な友達や学校の先生などに相談して、簡単に弾けるように編曲してもらうのも一つです。

ペープサート

ペープサートを授業で実践する学校も多いのではないでしょうか。自信のある作品を作り上げた方はその作品をぜひ持っていきましょう。自己紹介の時に活用してもいいですね。

パネルシアター

ペープサートと同じく、パネルシアターの準備ができる方は実習園に持っていくことをおすすめします。教室に置かせてもらい、いつでもできるようにしておきます。事前に実習担当の保育士にも伝えておきましょう。

そのほかの保育技能

学校で製作したもので、保育で実際に使ってみたいと思えるものは積極的に実習に持っていきましょう。
実習園の保育士も一緒に楽しみたいと思っていることがほとんどですので、アドバイスをもらえるはずです。
子どもの楽しそうな様子を見ることができると、保育者として喜びを感じられる瞬間になるでしょう。

 保育日誌や指導案の書き方を練習しよう 

保育実習では、1日の振り返りとして日誌を書いたり、部分実習や責任実習を行う前に指導案を書いたりします。
保育実習経験がある学生からは、この日誌や指導案を書くのが苦手という声を多く聞きます。

事前準備のひとつとして、こういった書類を書くポイントを押さえておくと、実習中の忙しさを軽減できるようになりますので参考にしてみてください。

保育実習日誌を書くポイント

書式は学校によってさまざまですが、内容は概ね決まっています。保育のねらい、保育実習の目標、活動時間、活動内容、環境構成など日誌に書く内容を気に留めながら実習することが大切です。
記入するときは読みやすいきれいな字で、丁寧に書くことを心がけてくださいね。
保育中にメモを取ってもよいかはオリエンテーションの際に確認しましょう。

保育実習日誌を書く際のポイントは『実習中の保育実習日誌の書き方』をご参考ください。

指導案を書くポイント

保育における環境設定はとても大切です。保育実習の指導案にはまず環境についての記述をこまかく書くようにするのがポイントです。
子どもの動きや保育者の動きも予想しながら記入しましょう。
もちろん、予想していたとおりにならない場合もあります。実習後はなにが違ったのか、どのような声掛けをしたらよかったのかなどをふまえて振り返りを記入するようにしましょう。

指導案を書く際のポイントは「保育実習における指導案の書き方」をご参考ください。

保育実習は失敗を恐れずにおもいっきり!

保育実習に向けての事前準備について紹介しました。
準備することが多く、実習が始まってからでは忙しく手が回らないこともありますので、早め早めに事前準備に取り掛かることをおすすめします。
しかし十分に準備をしても実際の保育ではうまくいかないことが必ずあります。
多くの失敗も大切な経験です。また、失敗が許されるのも学生の特権です。指導されたことを素直に受けとめて、実際に保育士になったときの糧にしていきましょう。
実習園の保育士も、学生は上手に保育することよりも、柔軟にそして積極的に保育にかかわる姿勢が大切だと考えてるので、失敗を恐れず積極的に取り組みましょう。

タイトルとURLをコピーしました