【文例で解説】保育実習での感想文の書き方 書き方

【文例で解説】保育実習での感想文の書き方

保育実習では、実習で体験した事や感じたことを感想文として、保育実習の担当保育者に提出します。担当保育者は提出された感想文を読んで、実習生の成長や気付き、悩みなどを把握し、アドバイスやコメントをフィードバックするのです。

この記事では自身の成果や評価を客観的に理解し、その後の保育の学習や就職活動などに活かすための感想文の書き方についてご紹介します。

感想文とレポートの違いってなに?

”感想文” と ”レポート”は同じものと勘違いしている方も少なくないのではないでしょうか。
実は、書く内容の”視点”がまったく異なるのです。

“感想文”は『自身の気持ちを書いたもの』です。
体験した内容と自分の気持ちを整理し、エピソードにもとづいて、自分が感じたこと、思ったことをまとめて書き上げていきます。つまり自分自身の視点になります。

一方、”レポート”は『事実を書いたもの』です。
事実にもとづいた内容を、序論、本論、結論という一連の流れに沿った形でまとめていく、いわゆる報告書のようなものが一般的です。 こちらは客観的な視点でとらえて書く必要がありますね。

この2つの違いを認識しておくと、よりよい感想文を書くことができますよ。

保育実習後に提出する感想文の構成と内容

最終日などの感想の書き方

では実際に感想文を書くにあたって、文章をどう組み立てれば良いのか、どうすれば読みやすい文章が書けるのかと悩まれる方は多いと思います。
ここからは具体的な感想文の書き方について見ていきましょう。気持ちが伝わる感想文の書き方を、ポイントを踏まえてわかりやすくお伝えしていきます。

保育実習における感想文の構成

はじめに全体の構成を組み立てていきます。
構成を考えずにいきなり書き出してしまうと、話が散らばってまとまらず、気持ちが伝わりにくい感想文になってしまいます。まずは下記の流れで事前に伝えたいことを整理するとよいでしょう。

【導入→感想(本文)→次回への意気込み】

導入文として、実習を行う前に掲げた目標や課題感について述べると良いでしょう。こうすることで感想を書く際に比較する項目ができ、そのあとに続く反省点や今後の目標といった次回への意気込みの部分も考えやすくなります。
全体の構成が決まったら、次にお伝えする書き方のポイントを確認してから感想文を書き出していきましょう。

感想文を書く際のポイント

感想文をより伝わりやすく書くためには、いくつかのポイントがあります。

①    エピソードと自分の考えを整理して書く
②    内容を要約する
③    どう感じたかを書き出す
④    なぜそう感じたかを書き出す

この4つのポイントを踏まえた書き方をすると、より具体的な内容の感想文になります。
それでは、それぞれのポイントについて説明していきます。

①エピソードと自分の考えを整理して書く

実習中に体験した印象的なエピソードを書き出してみましょう。
そして、そのときに自分が感じたことや、考察したことを付け足していってください。これだけでもおおまかな構成に沿った自然な流れの文章になっていきますよ。

②体験した内容を要約する

体験したことや感じたことを要約していきます。

例えば、書き出したエピソードについて『声掛けのしかたを学べました。』というだけのまとめ方だと情報量が少なくわかりにくいですが、『○○先生が○○ちゃんに「○○しようね。」と声掛けしており、子どもの気持ちに寄り添った声掛けのしかたを学ぶことができました。』というような具体的な場面を書くことで、伝えたいことを端的にまとめることができます。

③どう感じたかを書き出す/④なぜそう感じたかを書き出す

保育実習をとおして、あなたがどう感じたのか、なぜそう感じたのかを書き出していきます。
ここが感想文の本文にあたりますので、実習を体験したあなたにしか書けない内容に仕上がるよう書き出していきましょう。
③と④の書き方については、箇条書きではなく一文にまとめることで、より気持ちが伝わりやすい文章にしていくことができます。

例:『○○先生の”活動に参加できない子”への対応とその時の園児の嬉しそうな反応を見て、個別の声掛けの重要性を感じました。子ども一人ひとりの性格に合わせた対応が子どもの自信に繋がり、個性を伸ばしていくのだと感じました。』といったようになぜ、どうしてそう感じたのかをわかりやすくまとめることがポイントです。

保育実習の最後に提出する感想文の書き方

構成の流れは前述したとおり【導入→感想(本文)→次回への意気込み】が基本となります。
これだけを見るとよくわからないという方もいらっしゃると思いますので、具体的な例文を使って感想文の書き方を説明していきます。

1.導入

この度は二週間におよぶ保育実習の指導をしていただき、ありがとうございます。
実習前は、日案を基に子どもたちに対して一斉指導をするものだと思っていました。しかし、実際は子ども一人ひとりの性格に合わせて個別指導を行うことも多く、個性を大切に保育を行っていることを知りました。

【ポイント】
 導入では、まず保育実習を行っていただいたことに対して感謝の気持ちを伝えましょう。その後、実習前と実習後の保育園へのイメージの違いなどを書き出していくと本文へとつながりやすくなります。

2.感想(本文)

今回の実習では、0才児クラスから5才児クラスの全年齢の子どもたちの保育に携わることができ、①年齢別の発達の違いを知ることが出来ました。
1才違うだけでできることに大きな差があり、②乳児期から幼児期にかける発育はめざましいものがあると感じました。 

また、③○○先生の「おりがみをおやまにおってみようね」という声掛けを理解できる子とできない子がおり、できない子には個別に対応している姿を見て、苦手な物に対しても諦めずに取り組めるように手助けする個別支援の重要性を学びました。

【ポイント】
①年齢別の発達の違いを知ることが出来ました。
実習で実際に体験したこと(事実)を書き出していきます。特に印象に残っていることなどをピックアップし、自分の学びにつながった体験を書きましょう。

②乳児期から幼児期にかける発育はめざましいものがあると感じました。
実習で体験したことに関して、自分がどう思ったのか、何を感じたのかを書き出していきます。主観的な感想ですので、あなたの気持ちを書けば大丈夫です。

③○○先生の「おりがみをおやまにおってみようね」という声掛け・・・
最後に、なぜそう感じたのか、そしてどの部分が学びにつながったのかを書きます。具体的にエピソードを織り交ぜると、あなたの気持ちが伝わりやすく、実感のこもった感想文になりますよ。

3.今後の意気込み

今回の実習では、イヤイヤ期の子どもに対する対応に戸惑ってしまい、年齢や性格に沿った対応が出来ないことが多く、子どもに寄り添った保育の難しさを感じました。
そのため次回の実習では、それぞれの年齢に合わせた子どもへの関わり方を学びたいです。
また、次回の実習に向けて、書籍や保育園のボランティアを通じてより子どもへの理解を深めていきたいと思います。

【ポイント】
実習でできなかったことなどへの反省を踏まえ、今回の経験をもとに次はどうしていきたいのか目標を伝えます。また、ここで設定した目標に対してどのような取り組みを行うのかといった点も重要になってくるため、ここも具体的に書いておくとよいでしょう。

保育実習全体の感想文事例を紹介

保育実習の感想を総括しよう

保育実習を終えたあとに、総括として記載する感想文の事例を紹介します。書き方の参考にしてみてくださいね。

【総括の感想文事例パターン①】

実習前と実習後で気持ちの変化があったことを具体的なエピソードとあわせて書いている感想文です。

お忙しい中、保育実習を行っていただきありがとうございます。
今回の実習では様々な体験を通し、子どもへの対応について多くの学びにつなげることができました。

実習前は、時間に沿って決められたスケジュールのもと、一日が流れていると思っていました。しかし、実際には子どもたちの体調や気候など様々な面に配慮して活動が変更されたり、子どもがより満足できる活動になっていることを知り、先生方が臨機応変に対応していることを実感しました。

製作活動の時には、活動に参加できない子に対して○○先生が「すこしおてつだいしようか?」と個別に対応しながら製作を進める姿を見て、子どもの気持ちや性格に寄り添った対応の大切さを知りました。

保育実習をするにあたり、子どもとの関わりを中心とした目標設定を行っていましたが、適切なタイミングや子ども一人ひとりの性格を把握できず、実習の中で実践することができませんでした。

そのため次回の実習では、積極的に子どもとの関わりを持ち、目標に沿った行動ができるように努めていきたいです。

【総括の感想文事例パターン②】

実習で体験したことをより具体的に書き出していくことで、どの部分から学んだのかがわかりやすくなっている感想文です。

2週間という短い時間ではありましたが、学校では学べないことを経験させていただくことが出来ました。充実した実習をさせていただき、ありがとうございます。

また、各先生の保育方法や保育に対する思いを知り、今後の自身の保育方針などに活かしていきたいと思いました。

実習中には、環境構成や安全に配慮した先生方の行動を学ばせていただきました。

特にマラソンで逆走してしまう子を制止するのではなく、「先生のおしりにタッチできるかな?」など声掛けをして、遊びの一つとして友達と同じ方向に走り出せるよう促している姿を見て、注意するのではなく遊びにするという発想の転換の柔軟さを学びました。

子どもとの関わりでは、気持ちをうまく汲み取ることが出来なかったり、苦手な物が食べられない子への対応など難しさを感じる場面も多くありました。

そのため今回の経験を活かして、子どもの性格の理解や子どもの特性に合わせた対応など子どもに寄り添った保育が出来るように努めていきたいです。

感想文の書き方を理解して、次の保育実習に繋げよう!!

今回は、保育実習の感想文の書き方について説明しましたが、いかがだったでしょうか?感想文を書くときは構成を意識して整理すること、そして具体的なエピソードを使った書き方をすることで、どう書けばよいかわからないという事態を避けることができます。
保育実習は不安なことも多いですが、子どもたちの笑顔があなたの不安をかき消してくれるはずです。
子どもたちとの時間を楽しもうという気持ちで保育実習に挑み、そこで感じたできごとを感想文にまとめることで、自身の今後の成長につなげていきましょう。

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