育休取得後に退職できる?注意点や実際に取得した人の声をご紹介!

復職前提で育休に入ったものの、実際の育児を経験したことで退職や転職を考える方もいるのではないでしょうか。
今回は育休取得後に退職は可能なのか、退職する場合の注意点について紹介します。

そもそも育休とは?

育休とは原則1歳未満の子どもを養育するための休業です。
詳しくは下記記事で紹介しておりますのであわせてご覧ください。
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育休取得後に退職できる?

育休は基本的に復職を前提としている制度です。
しかし実際に育児をして、もっと子どもとじっくり接したい、仕事と育児の両立は難しい、配偶者の転勤などの理由により、退職を考えることもでてくるでしょう。結論からいいますと、育休後に退職や転職は可能です。
厚生労働省が公表している令和3年度雇用均等基本調査によると、女性は6.9%、男性は2.5%の方が育休取得後に退職しています。この結果からも職場復帰を考えていても、退職にいたるケースは少なくないことがわかります。

▼育児休業終了後の復職者および退職者割合

【女性】

復職者退職者
平成27年度92.8%7.2%で
平成30年度89.5%10.5%
令和3年度93.1%6.9%

【男性】

復職者退職者
平成27年度99.9%0.1%
平成30年度95.0%5.0%
令和3年度97.5%2.5%

出典:令和3年度雇用均等基本調査|厚生労働省

退職する場合は勤務先へはやめに伝えよう

どんな理由であっても、退職する場合は人間関係や業務の引き継ぎなどでトラブルにならないように、はやめに退職する旨を伝えましょう。
退職について就業規則に規定がある場合は、定められている手順やタイミングで手続きをします。
理由によっては、業務量を調整したり、部署を移動したりと就業しやすくする相談ができる場合もあります。まずは人事や上司に相談できるといいでしょう。

育休取得後に退職する場合の注意点

育休取得後に退職する場合の注意点について、3つご紹介します。

育児休業給付金はどうなる?

育児休業給付金は、育休後の職場復帰を前提とした給付金のため、育休取得するときから退職を予定している場合は、支給対象とならず、返金を求められる可能性があります。
育休休業給付金の受給資格確認後に、退職することとなり退職した場合は、その時点で育児休業給付金の支払いは終了となります。あわせて社会保険料の免除も受けられなくなるので注意が必要です。
退職日によって給付金の支給対象期間が変わってしまうので、退職日は慎重に設定したほうがいいでしょう。

また、退職後は再就職の意思があるといった一定の条件を満たすことで失業保険を受給できます。条件に該当する場合は、お住まいの管轄のハローワークに行き手続きを行うことをおすすめします。

参考:Q&A~育児休業給付金|厚生労働省

保育園が決まっていたら退園になる?

保育園は保育の必要性の優先度によって入園が決まるため、退職することで保育の必要性がないとみなされて、退園になる可能性があります。自治体によっては求職活動中は入園できるが在園期間は3か月までや入園月中に復職することなどと定められている場合がありますので、ご自身の自治体に確認しましょう。

また、入園申込後に家庭状況(住所・家族構成・仕事・保育状況など)に変更があった場合は、内容変更届などの書類提出が必要です。

再就職はできる?

育休取得後に再就職することは可能ですが、ハードルが高くなってしまう可能性があります。
「しゅふJOB総研」が2022年3月に実施したアンケート調査によると、結婚・出産後の就職活動は「とても難しい」「やや難しい」と回答した方は92.6%。難しい理由で多いのは「家庭と両立できる仕事が少ない」78.1%、「求人に応募しても選考にとおりにくい」51.4%でした。共働き世帯が増えているとはいえ、出産を機に退職し、再就職するのはまだまだ難しい現状があるようです。

出典:結婚・出産後の就職活動について、女性はどう感じているのか?「難しい」 92.6%|就活が難しい理由「両立できる仕事少ない」78.1% 30代以下「とても難しい」71.0% ~しゅふJOB総研調査~

実際に育休を取得した人の声

育休後に退職・転職・復職された方に、その理由や育児と仕事の両立について聞いてみました。

2人目の育休中に転職活動を行い、育休明けのタイミングで転職しました。子どもがいることでキャリアアップが望めないことが分かったからです。転職活動では、希望する勤務時間や働き方が合う会社を探すのに少し苦労しましたが、わりとすぐ転職先を見つけることができました。
子どもはすぐ発熱するし、あらゆる感染症をもらってくるので、小児科通いがたいへんでした。毎回かかりつけの小児科に行くほうがいいと思いますが、予約が埋まっていたり、休診日があったりするので、3か所くらい決めておくといいと思います。毎回、仕事を休みたくなかったので、病児保育もよく利用しました。
(2児のママ)

育休取得後、復職しましたが、数か月後に転職しました。子どもの発熱によるお迎えや通院などで、日中ぬけてしまった分を欠勤ではなく、早朝や夜間に働けたら…と思い、フレックス+リモートワークができる会社に転職しました。
復職後半年間は本当にたくさん休むことになり、かつ自分も夫も体調不良のような感じが続き、大変でした。マミーブレイン*をよく聞いていましたが、仕事に復帰してから実感しました。仕事へのブランクもありますが、脳の基本機能が下がった感覚があり、産前と比べて記憶力が下がってしまい、苦労しました。育休前と一緒の感覚で仕事をしようと思うとうまくできずつらくなってしまうので、仕方のないことだと理解し受け入れたうえで、臆せず人に聞いたり、地道にやっていくといいと思います。
(1児のママ)

育休中に夫の転勤で県外へ引っ越すことになり、育休取得後に退職しました。退職後はフリーランスで在宅の仕事をしていましたが、いちばんまとまった時間がとれるのが早朝だったので、朝の4時~6時半ぐらいに詰め込んで仕事をしていました。脳も体も疲れ切っていたので苦労しましたが、ルンバや食洗器、ホットクックなど時短家電を取り入れるなど、工夫していました。
(4児のママ)

3人の出産時にそれぞれ育休を取得しました。育休後は復職しましたが、入園直後から半年くらいは、子どもが風邪を引きやすく、園からの呼び出しも多く、休みや早退することが多かったです。熱が下がっても24時間は登園不可だったので、発熱で早退すると必然的に翌日もお休みになり、仕事の調整が大変でした。会社に業務を調整してもらったり、パートナーに対応してもらったり、まわりの協力・理解が不可欠だと思います。
育休中にコロナ禍があり、復職後は働き方が変わっていたり、使用していたツールが変わっていたりしたため、産前からの環境の変化にかなり戸惑いました。ビジネスから遠ざかっていたこともあり、頭がフル稼働せず、ボキャブラリーが減っていて言いたい言葉がでてこなかったり、かなり焦りもありました。まわりの人を頼って、まずは元の感覚を取り戻し、新しい環境に慣れる時間をしっかり持つといいと思います。
(3児のママ)

*マミーブレインは、産後に物忘れが激しくなったり、集中力が低下したりする症状のこと

まとめ

育休取得後に退職は可能なのか、退職する場合の注意点について紹介しました。実際に出産・育児を経験することで退職を検討する方も少なくありません。育休取得後に退職することは可能ですが、まずはご自身の育児と働き方について、家族や会社と相談できるとよいですね。

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