保活とはなにをする?いつからはじめる?保活に悩む保護者に進め方やコツをご紹介

 
産休・育休中の保護者にとって、仕事復帰前に必要なのは「保育園への入園を決めること」です。
子どもの預け先がないことには、仕事に復帰することはできません。
そこで重要なのが、子どもを保育園に入園させるための活動、いわゆる「保活」です。
ただ、はじめて保活を行う保護者の方は、「いつからはじめたらよいのか?」「なにからはじめる?」など、悩みは尽きないのではないでしょうか。
 
この記事では、
・保活はなぜ必要か
・保活のスケジュールと進め方
・保育園入園の審査基準、点数
・保活から入園までの流れ
・実際に保活を行ったママの声
を紹介します。
 
いつ頃からどのように保活をすればよいのか悩んでいる保護者の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
 

保活とは?何をするの?

 
保活とは「子どもを保育園に入園させるために、保護者が行う準備や活動のこと」です。
大きく分けて、情報収集・整理、見学、申し込みの3つの段階に分けられます。
保活の最初の情報収集・整理には、次のようなものがあります。
 

・保育園に入園したい時期や入園しやすい時期をリサーチ
・自分の住んでいる自治体の保育園情報を調べる
・入園基準を確認する
・気になる保育園をリストアップする
・保育園見学のスケジュールを立てる

 
また、保活といってもゴールはさまざま。
保護者であるあなた自身がどんな保育園に入れたいかによって、保活の方法も変わります。
保活を行う必要のある保育園には、「認可保育園」「認可外保育園」「認定こども園」などが挙げられます。
自分の保活のゴールはどこかを把握し、焦らずに計画を立てることが大切ですね。
 

保活はなぜ必要?

 
保活は、子どもと保護者の両方にとって最適な保育園を選ぶために必要です。
 
保育園によって、保育方針や特色はさまざまです。
家庭の方針と園の方針は合っているのか」「保護者として、仕事が続けやすい環境の整った保育園か(保育園へのアクセスや、延長保育の有無)」など、しっかり情報を収集し、実際に保育園に見学に行かないとわからないことがたくさんあります。
 
待機児童が解消されていない地域ではもちろんのこと、仮にお住まいの地域で待機児童が解消されていたとしても、希望の保育園が人気だった場合は申し込みをしても入れないことが多くあります。
万が一、希望の保育園に入れなかったときにも保活をしておくことで、スムーズに次の行動に移れるでしょう。
 

保活のスケジュールを知ろう!

 
保活は「生まれた月」「入園できる年齢」「入園希望月」によって、スケジュールが変わります。
認可保育園の入園申し込み時期は、10月~11月頃が一般的です。
4月入園を希望する場合のスケジュールを例にして確認してみましょう。
 

▼4月~9月
・保育園の情報収集
・保育園見学の予約・実際の見学
・各保育園のチェックリスト作成
 
▼10月~12月
・保育園申し込み書類の取り寄せ
・申し込み書類の記入(職場へ就労証明書記入の依頼)
・保育園入園の申し込み(自治体の担当課への申し込み)

 
▼1月~3月
・保育園の選考結果の連絡
・希望の保育園に入園が決定した場合は、保育園入園準備
・希望の保育園に入園できなかった場合は、保育園探し、再度申し込み、育休延長の相談


また、認可外保育園の場合は、空きがあれば通年で入園申し込みを行っていることもあります。保育園と直接のやりとりになるので、気になる園があれば、はやめに連絡をしてもよいでしょう。
 

保活の上手な進め方

 
保活の上手な進め方は、効率よく多くの情報を集めることです。
保活の手順を理解し、できることからはじめてみましょう。
 

STEP1:情報収集、自治体へ相談

 

① 自宅から通える範囲の保育園情報を収集
情報収集は、認可保育園、認可外保育園関係なく、自宅から通える範囲の保育園すべてのリストアップが大切です。
実際に保育園に出向いたり、インターネットで検索してみたりしてもよいでしょう。
保育園の場所」「保育方針」「定員」「園庭や延長保育の有無」など、チェックリストを作ると、管理しやすくなりますね。

② 自治体の保育担当窓口へ相談
実際に保育担当窓口へ相談に行ってみましょう。窓口では、園のホームページなどには掲載されていない情報を聞けることがあります。
・保育園の人気度
・新設される保育園情報
・去年の保育園入園の基準指数

など、忘れずに確認するようにしましょう。
 

STEP2:保育園の見学、希望園の決定

 
① リストアップした保育園の見学
STEP1で集めた情報を元に保育園見学を始めます。
見学は予約制がほとんどです。新年度の慌ただしい時期を避け、5月以降に見学の受け入れを始める園が多いかもしれません。
多くの園を見学したいときには、見学したい保育園に順位をつけるようにしましょう。
見学予約ができたら、見たいポイントや、聞きたいことをメモしておくと安心ですね。
申し込みの際には、希望順位をつける必要があるので、重要なことを聞き忘れないように注意しましょう。
 
②申し込み希望園の決定
STEP1で集めた情報と園見学の印象を含めて、申し込む希望園を決定します。
自治体によっては、20園など多くの保育園を希望することもできます。
復帰を第一に考えたときには、なるべく多くの希望保育園を候補に挙げるとよいでしょう。
 

STEP3:入園申込準備

 
申し込みが始まったら、申込書類を準備しましょう。
申込書類は自治体窓口だけではなく、保育園のホームページからダウンロードできることもあります。
また、申込書類には保護者が自分たちで記入する以外にも、勤務先に記入してもらう必要のある就労証明書があります。
会社とのやり取りも考え、余裕を持ったスケジューリングが大切ですね。
 

STEP4:保育園の申込手続き

 
提出書類が揃ったら、いよいよ申し込みです。
自治体によって、書類の提出方法も郵送と直接提出があります。提出方法によって、締め切り日が異なる場合もあるので、必ず確認するようにしましょう。
また、万が一に備えて、提出書類はコピーを取っておくことをおすすめします。
 

保育園入園の選考基準とは?

 
保育園の申込書類を元に、保育園入園の選考が行われます。
保育園には定員数があり、希望者が多い場合には利用調整が行われます。
そして、利用調整の基準は自治体によってさまざまです。
ほとんどの自治体は、それぞれの項目を指数としてあらわし、計算しています。
点数やランクを考慮し、より保育が必要とされる家庭が優先的に希望する保育園に割り当てられ、入園が決定する仕組みになっています。
 

保活の点数(指数)とは?

 
保活の点数は、「基準指数」と「調整指数」の合計で計算されます。
自治体によって、点数の基準は変わります。
ここでは、東京都杉並区を例に確認してみましょう。
 

基準指数

 
保護者の就労状況に応じて変わります。
居宅外就労、居宅内就労、就労内定など、保護者の就労状況を指数にします。
雇用形態(正社員・パート)ではなく、就労時間によって指数が決まります。
 
居宅外就労・居宅内就労の場合の例:
月20日以上の就労(週40時間以上の就労を状態とする場合)は指数20
月16日以上の就労(週32時間以上の就労を状態とする場合)は指数18
 

調整指数

 
就労状況以外の条件で調整をする指数になります。
条件によって、プラスやマイナスになります。
 
例:
兄弟姉妹が利用希望前から引き続き利用している認可保育所を第1希望とした入所申し込みの場合は指数3
親族が経営している事業に就労し、給与収入が103万円以下の場合は指数-2
 
他にも、
・ひとり親世帯
・子どもが3人以上いる
・双子同時の申し込み
・申し込み区外に在住

など、調整指数には多くの項目があります。

 
同一指数になった場合は、さらに優先順位の条件適用によって調整します。
 
参考:杉並区ホームページ 「令和5年度 保育施設利用のご案内」
 

保活から入園までの流れ

 
保育園の決定通知は、一般的に1月末~2月中旬頃までに発送されます。
結果によって、その後の流れが大きく変わるので事前確認が重要です。
 

保育園への入園が決まった場合

 
自分の希望する保育園への入園が決定した場合にするべきことは2つあります。
 
【保育園との面談・入園準備】
決定通知が郵送の場合、面談の日程が同封されている場合もあります。
結果を電話確認できる自治体もあるため、事前に募集要項を確認しておきましょう。
決定通知受領後は、保育園と面談を行い、入園準備を始めます。
 

【仕事への復帰調整】
仕事復帰時の勤務開始日や勤務時間調整を行いましょう。
保育園に入園するときには「慣らし保育」が必要です。
子どもの様子を見ながら徐々に保育時間を伸ばしていくため、保育園に長時間預けられるようになるには、しばらく時間がかかることもあります。
予定通りに仕事に復帰できずに困ったという人もいますので、余裕を持ったスケジュール調整がおすすめです。

保育園への入園が決まらなかった場合

 
待機児童の多い自治体では、保育園に落ちることも珍しくありません。
もしも、保育園が決まらなかった場合にするべきことは次の3つです。
 
【2次募集への応募】
1次募集で辞退者が出た場合や定員が埋まらなかったときには、改めて2次募集があります。ただ、1次募集ですべての枠が埋まってしまった保育園は募集がないため注意しましょう。
2次募集は、スケジュールがタイトで園見学ができないこともあります。事前の情報収集は、保育園に落ちてしまったときにも役立ちますね。
 
【職場へ育休延長の確認】
職場に育休の延長ができるかを確認しましょう。
育休(育児休業)は、原則子どもが1歳になるまでですが、保育園が見つからない場合には、1歳6か月まで延長、2歳まで再延長ができます。
それ以降は職場との相談になるため、まずは確認してみましょう。
 
【認可外保育園を探す】
認可外保育園も申し込んでいた場合には、入園希望と保育園に連絡します。
申し込んでいない場合は、空き状況を問い合わせしましょう。基本的に、認可外保育園の受付は先着順がほとんど。はやめの行動がポイントです。
 

先輩(保活経験者)のメッセージ

 
2人の子どもを保育園に入れるため、2度の保活を経験しました。
1人目は、2人目と違い、加点がなにもない状態での保活。
当時、かなり神経質になっていた覚えがあります。
 
私自身が保活で1番に行ったことは、シミュレーションを含む「情報収集」でした。
はやめにスケジュールを組み、気になる保育園はすべて見学しました。
見学後には、今の自分の状況に合わせて、希望順を検討。
 
・雰囲気はどうか
・方針は合っているか
・延長保育の夕食対応はあるか
・駅を利用する場合、自宅と駅と保育園のアクセスはどうか
・自転車の場合、駅近くの駐輪場に空きはあるか
・昨年度の保育園の倍率はどれくらいだったか

 
など、保育園の情報だけではなく、送迎するときに必要な情報も一緒に収集。
判断材料が増え、とても役立ちました。
 
保活は、情報をどれだけ集められるのかが重要です。
「情報を制する者は、保活を制する」といってもよいかもしれませんね。
 
保活・園見学支援サイトのホイシルでは、近隣の保育園情報を簡単に検索できます。
気になる保育園があればサイト内から問い合わせや、園見学の申し込みも可能です。
近隣の保育園を探す
 

上手に保活を進めよう!

 
効率よく保活を進めたいと思う保護者の方は多いでしょう。また、ほとんどの保護者の方が初めての保活に不安を抱いているかもしれませんね。
保活は、「内容」「手順」「年間スケジュール」「入園基準」「保育園結果が出たあとの対応」などを知り、今の自分の状況に合せて進めることが大切です。
そして、保活に無理は禁物。長期的な計画が必要になる保活は、できることから始めるのが1番のコツでしょう。
少しでも、保活に不安を感じている保護者の方の悩みが解決したら嬉しいです。
 

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